【Inter BEE 2013】ソニー 4K SXRD2台で新提案 8.3×2.5メートルサイズの大型スクリーンに8K収録した映像を表示 ノンシネマ分野に意欲 

2013.12.4 UP

 ソニーはInter BEE 2013において、幕張メッセの国際会議場にスイートを設け、2台の4K SXRDプロジェクター「SRX-T615」を使い、8.3×2.5メートルサイズの大型スクリーンに8K収録した映像を表示するデモを実施した(上写真)。映像のつなぎ目が目立たないようにするエッジブレンディング機能での質の高い調整をしている。ハプリックビューイングやデザイン分野への応用など、映画、放送以外での4K映像活用の可能性を示して注目された。

■4Kコンテンツ「アナザーワールド」シリーズを上映
 メインコンテンツは、ソニーが4K上映用に世界各国で撮影している『アナザーワールド』シリーズの一環としてアフリカのケニアで撮影された。ライオンなど野生動物の姿や大草原の風景、現地住民のカラフルな装いといった被写体を収録している。
 この映像は8K CMOSセンターを搭載している「PMW-F65」によってRAWで撮影したデータを8K現像し、7680×2160ピクセルを切り出して横長の「8K×2K」映像を作成。2台の4K SXRDプロジェクターで投映したものだ。
 フレームレートは30pを基本に撮影したが、フラミンゴが飛び立つシーンなどでは60pを使って滑らかな映像にした。
 映像は、地面の木や草、夕日に染まる草原など、細部まで確認することができ、「8K」の情報量の威力が発揮されていた。

■NAB Show 2014でも上映へ
 今回の上映を担当したソニー プロフェッショナル・ソリューション事業本部の担当者は、撮影場所のケニアの草原、ライオンなどが茶系のアースカラーであったため、撮影は難しい面があったという。
 この映像は、9月にオランダ・アムステルダムで開かれた欧州最大の放送・通信機器展示会「IBC2013」でも披露されている。NAB Show 2014をはじめ、各国の展示会で上映したい意向だ。

■2台の4Kプロジェクターで実物大を再現
 今回のデモでは、トヨタ自動車がデザインシミュレーションとして実際に作成したスポーツカーの4K CG映像も上映された。2台の4Kプロジェクターによって、実物と同じ大きさを再現した。自動車のデザイン工程では削り出しで実物大のものを作っていたが、4KCGに置き換えることが可能になる。

■4Kプロジェクター1万5000台の納入実績
 ソニーは世界各国の映画館に4Kプロジェクターを1万5000台納入している。日本、米国にはほぼ入りきっているという。現在、映画用4Kプロジェクターから、米ハリウッドから要求された仕様を取り除いた製品で、「ノンシネマ」領域の開拓を進めている。大型のショッピングモールやスタジアム、ホテル、遊園地、プラネタリウムなどで導入が続いている。

#interbee2019

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