【コラム】映画「風立ちぬ」 L.A.、N.Y.で1週間限定の単館上映 2014年2月に全米上映へ 

2013.12.4 UP

ElCapitanにあった予告ポスター

ElCapitanにあった予告ポスター

昼の回はSOLDOUTの文字が

昼の回はSOLDOUTの文字が

土曜夜10時の回もほぼ満席

土曜夜10時の回もほぼ満席

■全米公開に先立つ限定短観上映
 宮崎 駿監督&スタジオ・ジブリの長編アニメーション映画「The Wind Rises(邦題:風立ちぬ)」が、来年2月の全米公開に先立ち、11月8日(金)からLAとNYの2箇所で、1週間限定での単館上映が始まった。上映はどちらもLandmark系列のアート系シアターで、LAではウエスト・ロサンゼルスのThe Landmark 、NYではマンハッタンにあるSunshine Cinemaでの上映となった。
 同作品は来年2月に、ディズニーの配給による全米公開が予定されているが、アカデミー賞の長編アニメーション部門でのノミネート対象になる為には、「12月までにLAで7日間商業上映された実績が必要」という規定がある事などから、今回は先行してLA&NYという2箇所での単館上映が実施されたようだ。

■有力紙でも高評価
 今回の上映については、NYタイムズやLA タイムズ等の有力紙がこぞって取り上げ、おおむね好意的な批評を掲載した事などから、1週間という限定公開という事もあってか、2つの映画館には大勢の観客が押し寄せる結果となった。
 筆者はこの週末、早速LAのThe Landmarkへ足を運んだ。全席指定の同劇場では、土曜昼間の回は全てSOLD OUT(売り切れ)。夜10時の回ですら、スクリーン前方や、劇場両端の「見えづらい」席がポツポツ空いているだけという激戦区だった。筆者も、昼の間になんとか夜10時の回の席を確保出来たような有様だった。

■95%がアメリカ人観客
 日本人駐在員や日系人が多いLAでの上映は、さぞ日本人観客が多い事だろうと予測していたが、いざ場内に入ってみると、意外にも観客の95%はアメリカ人観客(写真)。如何に一般の映画ファンが興味を抱いているかが伺えた。
 映画の冒頭で「Studio Ghibli」のクレジットが登場すると、場内は奇声と、ヤンヤヤンヤの拍手喝采で埋め尽くされていた。

■クレソンのシーンがアメリカ人にうける
 今回の公開は日本語音声と英語字幕による上映だった。邦画の英語字幕上映では良くある事だが、我々日本人観客と、アメリカ人観客とでは、ウケる箇所が微妙に異なる。筆者が鑑賞した回では、なぜかアメリカ人に最もウケていたのは、「レストランでカストルプ氏が、お皿に山盛りのクレソンを食べているシーン」だった。

■2014年2月に全米公開へ
 来年2月に予定されているディズニーによる全米公開では、「サブタイトル」(英語字幕)による上映と、「ダブ」(英語吹き替え)のどちらかを、劇場や上映回によって選べるようになるそうだ。子供達や一般の観客は「ダブ」を好む傾向にあるが、コアなファンや映画関係者は「サブタイトル」での鑑賞を楽しみにしている人も少なくない。
 また、来年3月2日に予定されている第86回アカデミー賞の長編アニメーション部門には、皆さんもご存知のとおり「風立ちぬ」と「魔法少女まとか☆マギカ」の2本がエントリーしており、実際にノミネートまで至るかどうか?が注目されている。
 [鍋 潤太郎(ハリウッド)]

ElCapitanにあった予告ポスター

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昼の回はSOLDOUTの文字が

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土曜夜10時の回もほぼ満席

土曜夜10時の回もほぼ満席

#interbee2019

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