【NEWS】NTT R&Dフォーラム2016 報告(3)静止画像が動いて見える!  錯覚のしくみを使った陰影プロジェクションを活用 ショウケースの品物やパッケージにも対応

2016.3.4 UP

変幻灯の前に置いたおかしのパッケージ。陰影を投影すると文字やキャラが動いて見えるから不思議だ

変幻灯の前に置いたおかしのパッケージ。陰影を投影すると文字やキャラが動いて見えるから不思議だ

陰影を投影している状態でパッケージに白い紙を置くと、陰影の状態が見える

陰影を投影している状態でパッケージに白い紙を置くと、陰影の状態が見える

 NTT R&Dフォーラム2016には、さまざまなコーナーがあるが、中でも「未来を切り拓く基礎研究」をテーマにしたエリアにある「技術革新」コーナーではさまざまな要素技術が紹介されていた。その中で既に技術として活用されており、訪れた人が目を疑うようなデモが「変幻灯」のデモだった。
 これは、写真やパッケージの絵、文字といった平面だけでなく、ショウケースの品物など、本来動きのないものを人間の目の錯覚のしくみを使って動いているように見せる光投影技術なのだ。しかけが非常にシンプルなだけに用途は多いと考えられる。

 「変幻灯」は、錯覚を利用して静止している物体や写真に動きの印象を与える光投影技術だ。しくみとしては、静止した対象物を撮影した画像をもとにパソコン上でモノクロの特殊な差分画像を複数枚生成する。その複数の画像を、撮影した場所からプロジェクターで交互に投影すると、光の差分から人間の目には静止している物体が動いているように見える。
 会場のデモでは、商品パッケージや本の表紙などを用意して、その場でキャプチャー、画像生成、プロジェクションといった手順を披露した。本を置いた時点であきらかに止まっている表紙の手のひらが、画像を投影することで表紙自体の手のひらが動いて見えるため、来場者は首をひねったり、近づいてみたりと不思議がっていた。
 この技術はすでに完成しており、昨年10月には、TBS火曜ドラマ『結婚式の前日に』の広告に採用され、池袋駅に貼り出され、変幻灯を用いた動きのあるポスターとして話題となった(制作はネイキッド)。
 今回は新たに、3次元の立体的な物体にも動きの印象を与えることができるようになったという。会場でも、商品サンプルや商品パッケージの一部を動かすデモをしていたが、ショウケース内の商品サンプルに動きを与えたり、ポスターに動きを与えるなどの新しい広告手法として利用できそうだ。

変幻灯の前に置いたおかしのパッケージ。陰影を投影すると文字やキャラが動いて見えるから不思議だ

変幻灯の前に置いたおかしのパッケージ。陰影を投影すると文字やキャラが動いて見えるから不思議だ

陰影を投影している状態でパッケージに白い紙を置くと、陰影の状態が見える

陰影を投影している状態でパッケージに白い紙を置くと、陰影の状態が見える

#interbee2019

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