【NEWS】日本映画撮影監督協会(JSC) JSC賞にドキュメンタリー『オロ』撮影の津村氏、 新人賞は「終の信託」撮影の寺田氏

2013.1.25 UP

JSC賞の津村氏(右)と三浦賞の寺田氏(左)
兼松理事長

兼松理事長

 日本映画撮影監督協会(JSC)は7日、第56回三浦賞(新人賞)および第21回JSC賞の授賞式を都内で開催した。三浦賞は、最終候補3作品の中から、『終の信託』(ついのしんたく、周防正行監督)で撮影監督を務めた寺田緑郎氏が選ばれた。「重厚な映像を推す委員が多く、映画の緊迫感を伝えたいという思いが作品の雰囲気を大きく高めている」ことが選考理由。『ヘルタースケルター』の相馬大輔氏、『希望の国』の御木茂則氏を抑えての受賞。
 寺田氏は「カメラマンになって約5年、仕事がない時でも映画が好きだから続けられた。今は、辞めないで良かったというのが正直な気持ち。今回は、自分が学んだ映画の作り方をそのまま踏襲すれば結果が出るような作品の構成や演出であり、自分の体質に合っていた」と喜びを述べた。授賞式には、周防監督や主演の草刈民代さん、そして夫人で同作にも出演した女優の畠山明子さんと家族らが駆けつけた。
 作品に使用されたカメラはARRI535B、レンズはZeissほか。撮影ネガフィルムはEK VISION3など。

 JSC賞は、15人の審査員がノミネート7作品から選考。チベット難民少年のドキュメンタリー『オロ』(岩佐寿弥監督)を撮影した津村和比古氏が選ばれた。選考理由を「厳しい撮影条件でありながらフィックスを主体に自然光を生かした落ち着きのある絵作りで、それらが作品の意図に合っている。主人公オロをはじめチベット難民の内面の深い悲しみを的確な距離感でとらえている点が高く評価された」としている。
 津村氏は「4人で自主制作した作品で、全力でチベット人の心をとらえようと頑張った。スクリーンで見てもらえるという映画作りの喜びを初めて味わうことができた」と話した。
 撮影カメラはソニーHVR-Z5J。2月23日に紀伊国屋書店よりDVD発売される。

 授賞式に続けて開催されたJSCの新春パーティーでは、兼松熈太郎理事長が「昨年掲げた『アイライク・ア・フィルム』の心は変わらないが、これからはデジタル時代にも通用する人材を育てなくてはならない」とあいさつした。

兼松理事長

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