【Pre Inter BEE 2013】AVID  映画『スター・トレック イントゥ・ダークネス』制作チームが来日! Media ComposerとPro Toolsによる制作ワークフローをデモ 

2013.11.11 UP

マット・エバンズ氏

マット・エバンズ氏

二人が制作に関わった映画「スター・トレック イントゥ・ダークネスのポスター

二人が制作に関わった映画「スター・トレック イントゥ・ダークネスのポスター

 この夏に世界中で公開された映画版「スター・トレック」シリーズ第12作『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(J.J.エイブラムス監督)の映像編集と音声編集にAVIDのMedia ComposerとPro Toolsが採用された。それぞれの編集チームがAVID・ビデオサテライトを使って作業のやりとりをし、制作時間を飛躍的に短縮したという。映像編集に携わったマット・エバンズ氏と、音声編集チームの1人として活躍したウィル・ファイルズ氏に作業工程について聞いた。両氏は11月13-15日に幕張メッセで開催されるInter BEE 2013においてAVIDのブース(ブース番号: (ホール5/ブース番号:4617)のメインステージでワークフローをデモするために来日する。
(上写真はウィル・ファイルズ氏)

■数々のハリウッド・メジャー映画を担当した第一線のクリエイターが来日
 映像編集担当のエバンズ氏はフリーランスのエディター。同氏は「フリーランスという自由さの中で『スター・トレック』のようなメジャー映画にかかわることができ、私は本当に恵まれていると思う」と話す。エイブラムス監督とは『スーパー8』(2008年)でも一緒に仕事をした経験がある。また『トランスフォーマー/リベンジ』(09年、マイケル・ベイ監督)ほか、多くのヒット映画の編集を手掛けている。
 サウンド編集担当のファイルズ氏は、ルーカス・フィルムの一部門であるスカイウォーカーサウンドに所属。『ベオウルフ呪われし勇者』(07年)、『レミーのおいしいレストラン』(07年)、『ミッション・インポッシブル/ゴーストプロトコール』(11年)をはじめ、多くのメジャー映画の音声編集、サウンドエフェクト、サウンドデザインにかかわっている。映画の音声編集者が所属する非営利団体モーションピクチャー・サウンドエディターズが主催するゴールデンリール賞で、ベストサウンドエディターとして複数のノミネート歴も持つ。
 エバンズ氏によれば、AVID製品の使用は15年にもおよび、ファイナルカットプロの経験も持つが、現在はMedia Composer一辺倒という。同氏は「AVIDの変化し続ける最先端の技術力と容易なメディアマネジメントは、私が関わるすべてのプロジェクトにとって不可欠なツールとなっている」と話す。
 一方、ファイルズ氏は、映像編集から制作の仕事を始めたが、間もなくサウンドデザインの魅力に取り付かれたそうで、Pro ToolsはAVIDが買収した当初から使っている。

■Media Composer と Pro Tools により 最強のワークフローを構築
 『スター・トレック イントゥ・ダークネス』の撮影は2012年1月から始まり、両氏による編集部門もほぼ同時にスタートした。
 米国での公開は2013年5月。制作開始から1年4カ月で公開にこぎつけることができたのは、舞台裏でのAVID製品と、それを操るエディターたちが大きな役割を担っていたからだ。
 両氏によれば、Media ComposerとPro Toolsのワークフローは、両ツールが持つ機能の中で最も秀でているという。両氏は12年1月から13年4月まで、サンタモニカのプロダクション、Bad Robot Productions(http://www.badrobot.com)で作業した。

 映像と音声の編集チームがリアルタイムで作業を進めることができたのは、AVIDのビデオサテライト機能によるものだ。
 Pro ToolsHDエディターが、Media Composerソフトウエアを実行するMacまたはウィンドウズベースのコンピューターから、素早く簡単にAVID HD/SDビデオ・シーケンスをPro Toolsセッションと同期させて再生。エフェクトのレンダリング、ビデオのトランスコードを不要として、ポストプロダクションの効率を上げ、Pro Tools HDのオーディオ・トラック数とプロセッシング・パワーを最高の状態に維持できる。
 エバンズ氏とファイルズ氏の実際のワークフローも同様に、音声編集チームが作業を進めると同時に映像と同期させた。監督から音声の変更のリクエストが来てもすぐに対応し、再び映像と同期させることができたため、作業時間には影響しなかったという。
 エバンズ氏は「映像、オーディオそれぞれのワークフローを統合できたのは、AVID製品だからこそ実現できたこと。『スター・トレック』の編集には、AVID以外のシステムは使われなかった」と説明した。
 このようなワークフローが実現したおかげで、どのくらい時間が節約できたかという質問に、両氏は口をそろえて「おそらく何カ月にも値する時間が節約できただろう」と語っている。

■ISIS共有ストレージが支えたリアルタイム・ワークフロー  15人が一度にアクセスも
 両氏が絶賛するワークフローに大きく貢献したもう一つのオプションは、AVID ISIS共有ストレージソリューションだ。
 AVIDがメディア・コラボレーション作業の礎と提唱する共有ストレージは、ワークグループの規模にかかわらず、非常に厳しい環境におけるリアルタイム・ワークフローを支えるパワー、信頼性、そしてストレージ容量を備える。実際の制作過程では、最高15人のエディターがISISストレージにあがったファイルに一斉にアクセスし、同時に映像と音声の編集に当たったという。
 ファイルズ氏は「ビデオサテライトとISISがもたらした効率は本当に大きかった」と強調した。
 ファイルズ氏は音声に関して、撮影時のステレオから劇場公開のための5.1chサラウンドへの変換の必要があったが、「Pro Toolsのワークフローを応用して実現することができた」と説明する。
 同氏は「映画の制作にかかわり始めた当初は、リアルタイムで編集作業が進められるようになる日が来ることを信じていたが、AVIDが実現してくれた」と述べる。

◆日本での交流に期待 「日本のエディターの皆さんに会い、制作工程を聞きたい」
 「制作過程で最も良かった思い出は」という問いに、両氏は口をそろえ、12年10月12日にエイブラムス監督に工程途中の作品を見てもらった日だったと答えた。それに間に合わせるよう数日間ほぼ徹夜の状態が続き、エイブラムス監督からOKの指示をもらったときは「安堵(あんど)の思いで胸がいっぱいになった」と回想した。
 11月13日からのInter BEE 2013において、AVIDのブースでワークフローをデモする両氏は、初めての来日が待ちきれない様子だ。
 「AVID製品がもたらしてくれた効率化について伝えたいとともに、日本での制作工程に関して、ぜひ聞きたい。仲間である日本のエディターの皆さんに会えることを楽しみにしている」と両氏は述べている。


【AVID デモ日程】
11月13日(水)14:00〜15:00、16:00〜17:00
11月14日(木)14:00〜15:00、16:00〜17:00
11月15日(金)13:40〜14:40、15:40〜16:40
会場:Avid ブース (ホール5 ブース番号:4617)メインステージ

【Pre InterBEE 2013】では、11月13日から15日までの3日間、千葉・幕張メッセで開催されるInter BEE 2013の出展企業の出展内容をお伝えしております。

マット・エバンズ氏

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二人が制作に関わった映画「スター・トレック イントゥ・ダークネスのポスター

二人が制作に関わった映画「スター・トレック イントゥ・ダークネスのポスター

#interbee2019

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