【NEWS】パナソニック イメージセンサの感度を約2倍にする「マイクロ分光素子」を開発

2013.2.5 UP

従来との構成比較と特長
(左)現行カラーフィルタ(右)マイクロ分光素子

(左)現行カラーフィルタ(右)マイクロ分光素子

 パナソニックは2月4日、光の波の性質(光波)を使って撮像素子に入射する光を色ごとに分離できる、独自の「マイクロ分光素子」を考案・開発し、イメージセンサに適用することで高感度なカラー撮影を実現する事に成功したと発表した。
 光の回折現象(光が回り込むことで、幾何学的に到達できない領域に伝わっていく現象)を制御する、マイクロ分光素子によって、カラーフィルタを使用しない色配置が可能。従来のイメージセンサにおけるカラーフィルタの置換えとして設計でき、 イメージセンサの種類にかかわらず、明るい画像信号を得ることが可能という。カラーフィルタを使用する従来の方式と比べ、約2倍の高感度化を実現。マイクロ分光素子は、従来の半導体デバイスの製造で用いられている無機材料や加工プロセスを使って作製できる。
 具体的には、「光波の振る舞いを高速、高精度で計算する独自の波動解析/光学設計技術」、「板状の高屈折率透明体を通過する光の位相を制御し、微細な領域で光を回折させて色分離するマイクロ分光素子を実現するデバイス化技術」、そして「マイクロ分光素子で色分離した光を撮像素子上で組み合わせ、そこから得られる検出信号から高感度かつ高精細に色再現するレイアウト技術と独自アルゴリズム」の3つの新しい要素技術から実現されている。
 従来のRGBによるカラーフィルタのベイヤー配列では、入射光の50~70%の光量が失われており、モバ イル機器に搭載されるイメージセンサの高解像度化が進展し、画素のサイズが小さくなる中で、高感度化の要望がますます高まっていたという。
 開発内容の一部は、2月3日付Nature Photonics電子版に掲載された。今回の開発による特許は、出願中含めて国内21件、海外16件になる。

(左)現行カラーフィルタ(右)マイクロ分光素子

(左)現行カラーフィルタ(右)マイクロ分光素子

#interbee2019

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