【ニュース】キヤノン 現実とCGを合成 MRを製造業に展開

2012.7.14 UP

 キヤノンは、現実とCGを融合するMR(Mixed Reality)システムを7月下旬に発売する。開発工程の期間短縮やユーザーインタフェースの向上など、製造業での活用を狙っている。
 同社はMRを、バーチャルあるいはオーグメンテッドリアリティーを含む広範な用語として定義。1990年代後半から研究を始め、技術および社会条件がそろったことで実用化。3DCGデータを投射し、実物大の大きさを体感しながらインタラクティブにシミュレーションできる技術として、商用展開を開始した。
 ユーザーはヘッドマウントディスプレーを通してイメージを認識する。映像は左右の各カメラから入り、バックグラウンドのPCでCG合成。専用に開発されたプリズムレンズを経てユーザーの目に入る。ユーザーとカメラの目線の光軸をリアルタイムに合わせる光学技術が特徴だという。
 ユーザー位置はモーションキャプチャーカメラで認識して合わせる。独自開発したマーカーを利用することもできる。
 同社はシステムの利点を「モックアップ作成を減らしたり、従来切り捨てていた部分を検討することが可能」と話す。
 既に自動車や建設機器メーカーから引き合いがあるほか、住宅シミュレーションにも使える。医療やエンターテインメント分野への応用も将来的に検討するという。
 価格はHMDや基本ソフト、PC、センサーなどを含めたシステム全体で約1千万円から。設計データを変換せず読み込めるよう協業も進める。
 6月20日に開催した「第20回3D&バーチャルリアリティ展」では、車のデザインを検討したり、カメラの内部装置を見るなどのデモを行った。

#interbee2019

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