【NEWS】サムスンとFOX、IFAでUltra Blu-ray対応プレイヤーとソフトウェアタイトルを発表 4Kコンテンツのマルチデバイス対応戦略を積極的に推進

2015.9.10 UP

記者会見ステージのスクリーンには「キングスマン」のパッケージが映し出された。

記者会見ステージのスクリーンには「キングスマン」のパッケージが映し出された。

Ultra BDではHDに比べ4倍の解像度に64倍の色表現ができると説明。

Ultra BDではHDに比べ4倍の解像度に64倍の色表現ができると説明。

Ultra サムスンのBlu-ray対応プレイヤー「UBD-K8500」

Ultra サムスンのBlu-ray対応プレイヤー「UBD-K8500」

 サムスンは9月3日、ドイツで開かれている世界最大のコンシューマーエレクトロニクスショー「IFA2015」の記者会見で、Ultra Blu-ray対応プレイヤー「UBD-K8500」を発表した。IFAのサムスン社ブースでは、試作機が初披露された。
 記者会見のステージには、20世紀FOXホームエンターテインメントの代表マイク・ダン氏とハンノ・ベッセCTOがゲストで登壇した。FOXがスタジオ内に新設したFOXイノベーションラボでは、スタジオ初の技術パートナーとしてサムスンと提携している。

■FOX、人気作品を続々と4K化
 FOXは今回、Ultra Blu-rayディスク(Ultra BD)用タイトルを明らかにした。第一弾は「Kingsman: The Secret Service(キングスマン)」。ハイダイナミックレンジ(HDR)の4Kフォーマットになり、4K UHD版も同時発売するという。次期リリースは、「X-MEN:フューチャー&パスト」、「エクソダス:神と王」、「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」、「ファンタスティック・フォー」と「メイズランナー」の5作品。HDR対応でマスター版が制作されている。
 ブルーレイディスクアソシエーション(BDA)が規格したUltra Blu-rayは、4K(3840x2160)にHDR、10bitカラーに加えて BT.2020のカラースペースまで対応できる。Dolby AtomsやDTS:Xに対応。また、オプション機能「デジタルブリッジ」により、自宅のプレイヤー以外のモバイル機器でも楽しめるようになる。

■HDRコンテンツを4K 60p再生
 サムスンのUltra Blu-ray対応プレイヤー「UBD-K8500」は、HDR対応の4K UHDコンテンツを毎秒60フレーム(60fps)で再生できるだけでなく、従来のBDもUHD品質にアップスケールして再生する機能を持つ。また、メディア再生だけでなく、4Kストリーミング再生も可能になるという。同社のSUHD TVと同様、HDMI 2.0a 対応ポートが搭載される。このほか、サムスン独自の「Multiroom Link」、デュアルバンドWiFi (2.4GHz/5GHz)、サムスンの「スマートハブ」やブラウザ機能が予定されている。
 欧米・北米での発売予定は、2016年の初期。価格は開示されていないが、4:4:4クロマサンプリングまで扱えるHEVCデコードチップを実装した高機能なデバイスとなると、従来のBDプレイヤーの3倍程度の500ドル前後になる見込み。
 BDAで規格されたUltra BDの形式では、片面2層は66GBで転送ビットレートは最大108Mbps、片面3層は100GBでビットレートは最大128Mbpsまで可能となっている。UBD-K8500が対応できるUltra BDメディアはまだ定かではない。
 ベッセ氏はCES2015の開催時に結成が発表されたUHDアライアンスの代表も務める。登壇の場では、CES以来UHDアライアンスの会員数が3倍になったことや、サムスンが連盟の中でも先頭を切って技術仕様の策定を進めていることなどを紹介。仕様に加え認定方法やロゴについても完成間近で、「この数か月以内にライセンスプログラムから可能になる新製品について発表できるだろう」と加えた。

■マルチデバイス対応を進めるサムスンとFOX
 サムスンとFOXは現在、FOXイノベーションラボを通じて「デジタルブリッジ」の促進に注力している。これは、コンシューマー向けのコンテンツ体験をマルチデバイスに広げることをめざしたもの。この一貫として、サムスンのSUHD TV向けにUHDコンテンツを同梱した500GBのハードディスクパッケージでデジタルブリッジ機能を搭載させたい意向を見せる。
 両社はさらに、Secure Content Storage Association (SCSA)のプラットフォームの実装も進めている。SCSAでは、デバイス間でコンテンツをセキュアに転送させる技術を開発しており、8月には4K UHDコンテンツをセキュアに移動できるVidity技術を発表した。このVidity規格をもったストレージデバイスにVidity認証の4K 映画作品などをダウンロードすれば、所有しているデバイス間で自由に移動し再生できる。DECE(Digital Entertainment Content Ecosystem)が策定したデジタル配信方式UltraVioletとは相補的な存在になるという。
 SCSAは2012年にFOXをはじめワーナーブラザーズホームエンターテイメント、サンディスク社、ウェスタンデジタルとCRIによって設立した組織団体で、現在はサムスンを含めて50企業以上がSCSAに加入している。

関連URL
ブルーレイディスクアソシエーション(BDA) (http://www.jp.blu-raydisc.com/)
サムスンMultiroom Link対応(http://www.samsung.com/ae/discover/multi-room-link)
Vidity技術(https://www.vidity.com/)

記者会見ステージのスクリーンには「キングスマン」のパッケージが映し出された。

記者会見ステージのスクリーンには「キングスマン」のパッケージが映し出された。

Ultra BDではHDに比べ4倍の解像度に64倍の色表現ができると説明。

Ultra BDではHDに比べ4倍の解像度に64倍の色表現ができると説明。

Ultra サムスンのBlu-ray対応プレイヤー「UBD-K8500」

Ultra サムスンのBlu-ray対応プレイヤー「UBD-K8500」

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