【NEWS】高柳記念財団 「高柳記念賞」、「高柳科学放送賞」などの受賞者を発表 受賞番組は放送ライブラリーで一般公開へ 

2012.12.17 UP

科学放送番組 高柳記念賞「NHKスペシャル『宇宙の渚』
KNBふるさとスペシャル『未来を回せ~富山発・小水力発電の可能性~』

KNBふるさとスペシャル『未来を回せ~富山発・小水力発電の可能性~』

「風を集めて“レンズ風車”未来への挑戦」

「風を集めて“レンズ風車”未来への挑戦」

 公益財団法人高柳記念財団(理事長・末松安晴)は11月29日、電子科学技術及びその応用に関する独創性ある研究開発について表彰する「高柳記念賞」、「高柳記念奨励賞」、「研究助成」の受賞者を発表。また、優れた科学放送番組について表彰する 科学放送賞「高柳記念賞」「高柳記念奨励賞」も発表した。
 高柳記念賞は、東京電機大学未来科学部長・教授の安田浩氏が、科学放送番組の高柳記念賞は、「NHKスペシャル『宇宙の渚 第1集 謎の閃光スプライト』」がそれぞれ受賞した。
 贈呈式は、2013年1月18日、東京・千代田区のアルカディア市ヶ谷で開催する。

■安田浩氏による符号化方式の国際標準化への貢献が高柳記念賞を受賞
 高柳記念賞は、東京電機大学未来科学部長・教授の安田浩氏が受賞した。対象となる業績は「画像・映像をコンパクトに表現するための符号化方式および通信に関わる研究と国際標準化への貢献」。安田氏は、永年にわたり情報通信分野の研究開発・国際標準化活動に携わり、顕著な業績を挙げた。特に画像・映像の符号化方式の標準化活動で、国際標準化組織ISO/IEC JCT1/WG8の議長を務め、JPEG、MPEG規格の策定を統率し、国や企業の利害を超えた唯一の方式として標準化を果たしたことが評価された。

■NHK 生放送の字幕表示技術と三菱電機 映像符号化技術が高柳記念奨励賞を受賞
 高柳記念奨励賞は、日本放送協会 技術局計画部 副部長の今井亨氏「生放送において即時に字幕を表示するための音声認識技術の研究開発」と、三菱電機株式会社 情報技術総合研究所 主席技師長の山田悦久氏「デジタル放送用の高画質な映像符号化技術の実用化開発と普及」の2件。
 今井氏は、テレビの生放送において、即時に字幕を表示するための音声認識技術を開発。音声認識による放送番組の即時字幕制作を世界で初めて開発し、ニュース番組の字幕放送の実現に大きな貢献をした。情報バリアフリーの先駆的実現と情報通信放送分野の発展に大きく寄与するものとして高く評価された。
 山田氏は、デジタル放送の画質を大きく向上させる高画質符号化制御アルゴリズムと、それを用いた放送局用の高画質エンコーダを開発するとともに、映像をコンパクトに表現するための符号化方式であるMPEGの標準化活動に貢献した。開発した放送局用エンコーダは、当時の次世代放送方式の選定に大きなインパクトを与え、デジタル方式の可能性を広げるとともに、デジタル放送の発展に大きく寄与するものとして、その業績が高く評価された。 

 また、研究助成には、以下の3件が採択された。
 ○延兼啓純氏(北海道大学 大学院理学研究院 物理学部門 助教 工学博士)
  研究課題「カイラル超伝導体によるトポロジカル量子演算素子の開発」
 ○田中一晶氏 (大阪大学 工学研究科 特任助教 工学博士)
  研究課題「手の触感を再現する携帯型遠隔握手デバイスの開発」
 ○木村貴幸氏 (日本工業大学 工学部 電気電子工学科 助教 工学博士)
  研究課題「スマートグリッドシステムに対するカオスダイナミクスを用いた最適制御手法の提案」


■科学放送賞に3番組が決定 科学放送賞「高柳記念賞」は NHK「宇宙の渚」に
 高柳記念財団はまた、科学放送番組について表彰する 科学放送賞「高柳記念賞」、「高柳記念奨励賞」を発表。「高柳記念賞」は、「NHKスペシャル『宇宙の渚 第1集 謎の閃光スプライト』」(日本放送協会・2012年4月22日放映)が受賞した。
 「NHKスペシャル『宇宙の渚 第1集 謎の閃光スプライト』」は、宇宙での撮影用に、この番組のために開発した超高感度ハイビジョンカメラを、国際宇宙ステーションに搭載して古川聡宇宙飛行士が撮影を担当している。これまで宇宙飛行士しか見ることができなかった光景を、世界で初めてテレビで放映した。この撮影により、これまで謎の光だったスプライトをとらえ、その正体を解明することに成功し、地球と宇宙とのつながりについて新しい視点を与えた。

■地域の自然エネルギー発電技術を取り上げた2番組が「高柳記念奨励賞」を受賞
 「科学放送高柳記念奨励賞」は、「KNBふるさとスペシャル『未来を回せ~富山発・小水力発電の可能性~』」(北日本放送株式会社・2012年6月24日放映)と、「風を集めて“レンズ風車” 未来への挑戦」(RKB毎日放送株式会社・2011年12月31日放映)の2作品。

○「KNBふるさとスペシャル『「未来を回せ~富山発・小水力発電の可能性~』」の受賞理由
 危機に立つ日本のエネルギー政策のなかで注目されるエネルギーの地産地消。番組では、富山高専の学生たちが「小水力発電アイディアコンテスト」に挑み、優勝するまでを記録している。挑戦の過程で、「技術は地域の人びとの役に立たねばならない」こと、「常に新しい工夫が必要なこと」などが盛り込まれ、共感を喚起させる。

○「風を集めて“レンズ風車”未来への挑戦」の受賞理由
 レンズ風車は、 風力発電の効率を高めるために、九州大学の大屋裕二教授が開発した、羽根の回りに輪をつけたもの。従来型の3倍の発電効率をもち、騒音も少ない。レンズの開発プロセスを追いながら、モノづくりに誇りを持つ町工場の職人たちの協力や、日本の科学技術力の素晴らしさを前向きに描き、夢と希望を与えてくれる。

■入賞番組は放送ライブラリーで一般公開へ
 本年度の入賞番組は、財団法人放送番組センターが運営する、放送番組専門の公開施設「放送ライブラリー」で、一般に無料で公開される。

KNBふるさとスペシャル『未来を回せ~富山発・小水力発電の可能性~』

KNBふるさとスペシャル『未来を回せ~富山発・小水力発電の可能性~』

「風を集めて“レンズ風車”未来への挑戦」

「風を集めて“レンズ風車”未来への挑戦」

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