【プロダクション】IMAGICA 4K放送番組制作対応の品川プロダクションセンター 第33編集室を公開 独自の色管理を実施、データマネージメントを重視

2014.3.18 UP

 IMAGICA(東京都品川区)は、品川プロダクションセンターで運用するノンリニア編集室「第33編集室」(上写真)を報道陣に公開し、放送を中心とした4K制作の現状を説明した。
 第33編集室はHDと4Kの双方の制作に対応するが、最近では4K制作作業が増加しており全体の7-8割を占めるという。同室ではこれまでに『Railway Storyスペシャル 東北復興の鉄路を行く』(放送:WOWOWプライム)、『アリス コンサートツアー2013-It’s a Time-日本武道館ファイナル4K』(株式会社渡邉光男計画)、『大人の極上ゆるり旅 4K版』(製作:テレビ東京、テレビ東京制作)を担当してきた。
(映像新聞 吉野和美)

■ Adobe Premiere Pro CC、Speed Grade CCを採用
 編集用ツールは「Adobe Premiere Pro CC」を、カラーグレーディングには「 Adobe SpeedGrade CC」を採用。XAVCなどのファイル形式への対応を考慮している。
 ワークフローは、作品ごとにその都度判断する。撮影時のフレームレート、仕上げファイル形式(XAVCやDPXなど)、作品の尺などの条件をもとに、マシンスペックに合わせていく。顧客が720/60pでオフライン編集し、編集室内では4Kへのコンフォームとグレーディングをすることも多い。
 4K60p編集は、通常のHDの8倍というデータ量の多さから、データの取り込みや変換、クローン作成などの準備に多大な時間を要する。この点を円滑に進めるために、「東京映像センターでは、データマネジメントを担当するディレクターが常駐しているが、品川でも育成している」と、 技術推進室の清野晶宏氏は話す。

■IMAGICA独自の色管理を活用したルック調整を実施
 また、「映画分野で多く行われていた色管理を放送でも提供し始めている」(清野氏)と説明。番組制作では撮影時、必ずしも大型4Kモニターで時間をかけてチェックできるわけでないため、同室では、IMAGICA独自の色管理を活用し、ログ収録した映像をRec.709に適切に収めるなどのルック調整も展開している。
 日本のように4K60pで長尺番組を作るのは世界でも珍しい。制作効率を向上するうえで、ソフトウエアのパフォーマンス向上は必要不可欠な要素だ。アドビ システムズの古田正剛氏は「4K制作をサポートすべく、次期バージョンではさらにパフォーマンスを向上したい」と話している。

#interbee2019

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