【Inter BEE 2014】ソニー HDR(広ダイナミックレンジ)対応の4K有機ELマスターモニターを出展 黒浮きなしの自発光 DCI-P3を完全に包含、BT.2020に迫る

2014.11.20 UP

4K有機ELパネルを使用した30型マスターモニター「BVM-X300」

4K有機ELパネルを使用した30型マスターモニター「BVM-X300」

製品横に掲示したパネル

製品横に掲示したパネル

 ソニーは、19日に発表した4K有機ELパネルを使用した30型マスターモニター「BVM-X300」を同社のブースと国際会議場201号室で展示している。BVM-X300は、4096x2160ピクセルの画素数でデジタルシネマとUHDTVの双方に対応する。2015年2月発売予定で、価格は388万円(税抜き)と発表されている。
 ソニーは、今年4月のNAB Showの際、4K有機ELパネルを使用したマスターモニターを技術展示したが、その時点では型番は与えられていなかった。NAB Showの際の発表では、ITU-R 勧告BT.2020で規定される色域比で81%の範囲で表現できるとされている。今回は、色域包含度合いの数値は示されていないが、ソニーブースではCIE色度図(CIE-XYZ表色系によるxy色度図:馬蹄型のもの)にBT.2020、DCI-P3、EBUなどの色域との比較が示されている。これによると、BVM-X300はDCI-P3を完全に包含しており、BT.2020に迫っている。
 使用している有機ELパネルは自発光であり、原理的に黒浮きが出ない特性を持つ。コントラストは100万対1を達成している。この特性を活かして、HDR(広ダイナミックレンジ)表示を行ったデモは、国際会議場の展示コーナーに出展されている。ブラジル・リオのカーニバルをF65にて撮影した映像が、HDR処理されて表示されている。従来方式は、抑えた明るさで全体的にくすむ印象だが、HDR映像は明暗が直接伝わってきており透明感が異なる。白飛びが皆無で、ハイライトの中にあっても細かな明暗が表現されているのもHDRの強みだ。LCDでHDR処理を行う場合、光源の変調を含む複雑な処理が必要になるが、有機ELの場合はパネルの裸特性が優れているだけに処理は比較的単純なものとなる。原信号の持つ情報を、複雑な加工せずに取り出すことができる。
 色域の広さとダイナミックレンジの広さで、テレビ、映画の両分野に活用できるモニターとなりそうだ。

4K有機ELパネルを使用した30型マスターモニター「BVM-X300」

4K有機ELパネルを使用した30型マスターモニター「BVM-X300」

製品横に掲示したパネル

製品横に掲示したパネル

#interbee2019

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