【NEW】第91回アカデミー賞 ノミネート作品出揃う  邦画2作品『万引き家族』『未来のミライ』がノミネート

2019.2.11 UP

映画『万引き家族』を上映する、ロサンゼルスのローヤル・シアター。アメリカでの公開タイトルは『Shoplifters』

映画『万引き家族』を上映する、ロサンゼルスのローヤル・シアター。アメリカでの公開タイトルは『Shoplifters』

 米国映画芸術科学アカデミーは、米西海岸時間1月22日の早朝 5時20分、第91回アカデミー賞のノミネート作品を発表した。同アカデミーは西海岸ビバリーヒルズに本部を構えるが、3時間の時差がある東海岸の朝9時に間に合わせる為、このような早朝に発表を行うのが慣例となっている。

■視覚効果部門ノミネート5本中3本がディズニー作品
 今年のノミネート作品は、『ボへミアン・ラプソディ』を始めとする話題作が目白押しだ。中でもポストプロ関係者の注目を集める視覚効果部門では、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』、『プーと大人になった僕』、『ファースト・マン』、『レディ・プレイヤー1 』、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の5本がノミネートされた。ノミネート作品の5本中、なんと3本がディズニーの作品であることが、ハリウッドの制作現場では話題を呼んでいる。マーベル・スタジオ作品に代表されるディズニーはハリウッド映画の売り上げ記録更新にも貢献しており、それが視覚効果部門のノミネート作品にも表れていると言える。

■邦画作品2本がノミネート
 さて、今年のアカデミー賞の大きな話題として、日本の映画作品2本がノミネートされている事が挙げられる。今年は外国語映画部門に『万引き家族』(是枝裕和監督)、そして長編アニメーション部門では『未来のミライ』(細田 守監督)が見事ノミネートを果たし、オスカー像の獲得に今から期待が寄せられている。

 アカデミー賞授賞式が毎年開催されるロサンゼルスでは、1月から2月の『アカデミー賞シーズン』に合わせて、普段は大手シネコン等の映画館で上映される機会が少ない、外国語映画部門や短編アニメーション部門のノミネート作品が、『アート系シアター』で上映される。これらのアート系シアターは、大規模な配給網によるハリウッドの商業作品ではなく、海外の話題作を英語字幕りで上映したり、古き良き時代の過去の名作などを定期的に上映するなど、どちらかと言えば『コアな映画ファン』を対象とした映画館として知られている。

■『万引き家族』全米138館で公開・興収251万ドルと健闘
 そのアート系シアターの恩恵によって、筆者は『万引き家族』をロサンゼルスで鑑賞する機会に恵まれた。同作は小規模配給ながらも全米138館で公開され、1月25日の週末の全米ボックスオフィスランキングでは30位にランクイン、 251万ドル(約2億7千万円相当)を売り上げるなど、まずまずの健闘ぶりを見せている。筆者は、ロサンゼルスの上映館の1つ、ウエスト・ロサンゼルスにあるアート系映画館、ローヤル・シアター(写真)での上映に足を運んでみた。平日夜10時からの最終回、英語字幕入りの上映だったが、映画通とおぼしき観客層で賑わっていた。

 第91回アカデミー賞授賞式は、米国西海岸時間2月24日(日)夕方、ハリウッドのドルビー・シアターにて開催される。これらの日本からのノミネート作品が、アカデミー賞に輝く事を期待したい。(取材&写真: 鍋 潤太郎/ロサンゼルス)

映画『万引き家族』を上映する、ロサンゼルスのローヤル・シアター。アメリカでの公開タイトルは『Shoplifters』

映画『万引き家族』を上映する、ロサンゼルスのローヤル・シアター。アメリカでの公開タイトルは『Shoplifters』

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