【NEWS】映画撮影の最新機材技術展、CineGearExpo 2018がハリウッドで開催 ラージフォーマット関連製品が揃い踏み

2018.6.4 UP

CineGearの会場となったパラマウントピクチャーズスタジオ

CineGearの会場となったパラマウントピクチャーズスタジオ

カールツァイス社の新シネマレンズシステム、ZEISS Supreme Prime

カールツァイス社の新シネマレンズシステム、ZEISS Supreme Prime

ソニーブースではアバターを模したモデルによる撮影コーナーが設けられた

ソニーブースではアバターを模したモデルによる撮影コーナーが設けられた

パナビジョンとREDによるMillemium DKL2

パナビジョンとREDによるMillemium DKL2

 6月1日、2日の2日間、米ロサンゼルスエリア、ハリウッドの中心にあるパラマウントピクチャーズスタジオで、映画撮影機材専門の展示会、CineGearExpo2018(LA EXPO)が開催された。

■ハリウッドのメジャースタジオで開催 映画関係者が一堂に
 1996年の初開催から、今年で23回目を迎える。過去には他のメジャースタジオ等での周回開催が行われていた時期もあるが、ここ10年はアクセスの良さや駐車場数などで、ハリウッドの中心に位置する、このパラマウントスタジオのスタジオやオープンセットを使って、毎年同時期に開催されている。
 展示会は2日間で、その展示内容はハリウッドで活躍する撮影、照明などの撮影現場に関わる人のための製品、技術展示が主体だが、その他30以上の各種セミナーや学生ショートフィルムのコンペティションなども行われている。また毎年VIPアワードと称し、あるテーマに基づいた表彰が行われているが、今年はNabcy Schreiber、Ellen M.Kuras、Mandy Walker、Cyntha Pusheck、Amy Vincent、Reed Moranoという、6人の伝説的な女流撮影監督が表彰されている。
 年々増え続ける来場者だが、日本からの来場者も非常に増え、今年は開場2時間前にはほぼ全ての駐車場が満車になるなど、展示会自体の存在感も増している。
 
■ラージフォーマット元年を象徴する展示が目立つ
 今年目立った製品発表としては、やはりラージフォーマットに対応するシネマカメラ、レンズがメインメーカー各社から揃ってきたことだ。
 これまでのスーパー35mm(APS-C)からフルサイズ35mm、もしくはそれ以上のイメージサークルを持つカメラが台頭している。今年初頭に発表されたARRIのALEXA LFと新しいラージLPLレンズマウントに対応した、Signature Primeレンズを始め、RED DSMC2 Monstro、ライカTHALIAやM0.8レンズなど、各社のカメラ、レンズも出そろってきた感がある。

■カールツァイスが新シネマレンズシステムを発表
 その中で今回大きな注目を集めたのは、このCineGearExpoに合わせて先月末に発表されたカールツァイス社の新シネマレンズシステム、ZEISS Supreme Prime(SP)だ。ラージフォーマットセンサーに対応した新時代のシネマレンズシリーズで全13本、今夏には基本セットとなる6本を発売、2020年までにシリーズ全てがリリースされる見込みだ。前玉口径95mmに統一(一部除く)されたコンパクトかつ軽量設計による、いまのシネマカメラと撮影スタイルにフィットした仕様。さらにCP.3から搭載された、レンズ情報をオンセットで管理できる、ZEISS eXtended Data Technologyも搭載。
 これまでUltra Prime、Master PrimeとARRI社と共同でフィルム時代からシネマレンズのメインストリームを作って来たカールツァイス社だが、今回は初のデジタルシネマ完全対応となるこのSPレンズを、同社の単独メーカー製品として世界のシネマレンズ市場に発表、会場でも最も大きな注目を集めた。

■映画「アバター」の新シリーズでVENICE正式採用
 その他の話題では、会期前日にソニーのシネマカメラ「VENICE」が、ジェイムズ・キャメロン監督が現在制作中のアバターの新シリーズで、アバター2以降にVENICEが正式採用される事が正式調印、発表された。ソニーブースではキャメロン監督のインタビュービデオ上映とともに、監督の3D撮影の仕様に合わせ、カメラヘッド部とレコーダー部を分離してケーブルで接続できるようにした特別仕様タイプのVENICEも展示された。またブースでは全身ブルーにペインティングされたアバターを模したモデルによる撮影コーナーも設けられた。

■パナビジョンがREDとの連携を強化
 その他では、パナビジョン社がRED社とのコラボレーションを強めた、16ストップ、35メガピクセル、ネイティブISO1600のラージフォーマットカメラ、Millemium DKL2を発表展示(レンタル専用)。日本企業からは、ソニー、キヤノン、パナソニックなどの大手カメラメーカー他、アストロデザイン(計測器関係)、トキナー、シグマ(レンズ)、ブラザー(ドローンスカウター)など数社が出展していた。

 なお、CineGearExpoはここ数年、アメリカ東海岸地域でも小さな規模で開催されてきたが、今年は10月初旬に「ATLANTA EXPO」としてアトランタのPinewood Studioでも開催される予定だ。
 

CineGearの会場となったパラマウントピクチャーズスタジオ

CineGearの会場となったパラマウントピクチャーズスタジオ

カールツァイス社の新シネマレンズシステム、ZEISS Supreme Prime

カールツァイス社の新シネマレンズシステム、ZEISS Supreme Prime

ソニーブースではアバターを模したモデルによる撮影コーナーが設けられた

ソニーブースではアバターを模したモデルによる撮影コーナーが設けられた

パナビジョンとREDによるMillemium DKL2

パナビジョンとREDによるMillemium DKL2

#interbee2019

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