【NEWS】ソニー、グローバルシャッター機能を実現する画素並列A/D変換器搭載 裏面照射型CMOSイメージセンサーを開発

2018.2.23 UP

概略ブロック図

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撮像画像(F2.8、7300lux、露光時間0.56ms、γ1.0)

撮像画像(F2.8、7300lux、露光時間0.56ms、γ1.0)

 ソニーは2月11日から米サンフランシスコで開催されたISSCC(国際固体素子回路会議)で、グローバルシャッター機能を実現したCMOSイメージセンサーを開発したと発表した。
 有効画素数146万画素の裏面照射型CMOS。新開発のA/D変換器を画素ごとに配置し、全画素同時に露光したアナログ信号を各々即座にデジタル変換(画素並列A/D変換)することで、CMOSイメージセンサーの課題であったローリングシャッター現象を解消している。
 現在のカラムA/D変換方式のCMOSイメージセンサーは、画素で光電変換したアナログ信号を行ごとにA/D変換して読み出すため、行ごとの読み出し時間のずれによる画像の歪み(フォーカルプレーン歪み)が発生していた。
 今回の発表では、新開発の低電流動作可能で小型のA/D変換器をすべての画素の下に配置し、全画素同時に露光したアナログ信号を各々即座にデジタル変換(画素並列A/D変換)した後に、デジタルメモリーで信号を一時保持する。
 これにより、行ごとの読み出し時間のずれによるフォーカルプレーン歪みを解消。100万画素以上の高感度な裏面照射型CMOSイメージセンサーでは、業界で初めて画素並列A/D変換器によるグローバルシャッター機能を実現した。
 従来のカラムA/D変換方式の1,000倍にあたる数のA/D変換器を搭載することにより増大する電流対策として、低電流で動作が可能な小型14ビットA/D変換器を開発。A/D変換器とデジタルメモリーの搭載スペースを確保するため、積層型構造として下部のチップに配置し上部チップの各々の画素とは、Cu-Cu(カッパー・カッパー)接続技術を採用している。Cu-Cu接続は、 従来のシリコン接続と比べ、設計自由度や生産性の向上、小型化、高性能化などが可能。ソニーが2016年1月に世界に先駆けて量産出荷した技術。
 新開発のデータ転送機構により、 A/D変換による大量データの読み書きを高速処理している。

編集:Inter BEE 2018 ニュースセンター

概略ブロック図

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撮像画像(F2.8、7300lux、露光時間0.56ms、γ1.0)

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