【NEWS】8Kテレビや4Kテレビ、ハイブリッドキャスト、セカンドスクリーン型放送など「進化するテレビ」を表参道ヒルズに展示

2013.12.3 UP

会場の様子

会場の様子

各社の4Kテレビ

各社の4Kテレビ

マルチスクリーン型放送研究会のCM連動デモ

マルチスクリーン型放送研究会のCM連動デモ

NHKのハイブリッドキャスト

NHKのハイブリッドキャスト

 地上デジタル放送開始10周年となる12月1日の「地上・BSデジタル放送の日」に、東京・表参道ヒルズの地下3F・スペースO(オー)において、2020年の東京五輪を見据え「未来を見よう 進化するテレビ」というテーマに8Kテレビ(上写真)や4Kテレビ、セカンドスクリーン型放送、ハイブリッドキャストなどの次世代テレビを広く一般に訴求する展示会を実施した。
(IT・放送技術コンサルタント 隅倉正隆)

■NHK、メーカー各社 8Kテレビ、4Kテレビを展示
 NHKは、2012年に発表したシャープと共同開発の8K(スーパーハイビジョン)対応の85型液晶テレビを展示し、NHK杯フィギュアスケートやリオのカーニバル、サッカーコンフェデレーションズカップなどを上映していた。また、4K対応テレビのコーナーでは、ソニー(65インチ)、東芝(65インチ)、パナソニック(65インチ)、シャープ(70インチ)の最新モデルを展示した。

■マルチスクリーン型放送研究会 セカンドスクリーンをデモ
 マルチスクリーン型放送研究会は、IPDCを使ったセカンドスクリーンサービスのデモを行った。会場では、CMに連動してスマートフォンに広告を表示するもので、15秒のスポットCMの放送に合わせるためにセカンドスクリーンコンテンツは事前にアプリにダウンロードしておき、音声認識で表示する仕組みという。また、WEB技術を使って、2月に参加局による放送を使ったセカンドスクリーンサービス「オンエア・トライアル」を実施するという。

■ NHK、12月中旬から第2フェーズのハイブリッドキャストを提供予定
 NHKは総合テレビで9月2日から開始しているハイブリッドキャストを紹介した。現在のサービスはデータ放送で提供されているコンテンツと同じだが、12月中旬からはハイブリッドキャストによるVODサービスを開始する予定という。提供するVODサービスは、過去のニュース番組とドラマのPR用ダイジェスト版。また、12月20日からはタブレットとスマートフォンから参加できるセカンドスクリーンサービスを双方向クイズ「双方向クイズ 天下統一」で実施するという。なお、ハイブリッドキャスト対応テレビを提供している東芝、パナソニック、シャープからは「コンパニオンアプリが提供される予定」とメディア企画部副部長の畠山利通氏は説明した。
 また、2月のソチ冬季オリンピックでは、既報の通り放送中の番組を、ネット配信映像を活用してさかのぼって視聴できる「時差再生」や放送中の番組の進行に合わせて放送に使用するために撮影している複数のカメラからの映像をインターネットを通じて提供する「マルチビュー」、ハイライト視聴などを提供する予定だ。なお、「時差再生」については、「全ての競技ではなく、1日1番組をハイブリッドキャストにて提供することを考えている」と畠山利通氏は説明した。

■ フジテレビ、ハイブリッドキャストによるセカンドスクリーンサービスを紹介
 フジテレビはスマートフォンでSNSを利用しながらテレビを視聴するマルチタスク視聴にフォーカスしたライブ&トーク番組「ヒーリングBARアイドリング」という番組と連携したサービスのハイブリッドキャストをビデオで紹介した。このハイブリッド番組では、例えば、テレビでアイドルグループが歌っているシーンが放送されていると、自分の好きなメンバーにズームした映像をタブレット端末側で視聴することができる「追っかけカメラ」や、好きなメンバーのVODを購入したり、SNSへ投降したりすることができる「VODリコメンド」などができる。
 フジテレビは総務省の平成25年度実証実験「放送・通信連携によるスマートTVアーキテクチャー確立に向けた実証実験」に参加しており、「今年度中にハイブリッドキャストサービスを開始する予定で、データ放送やWEBを活用して、ハイブリッドキャスト対応テレビを持っている視聴者はセカンドスクリーンサービスを提供することを考えている」と技術開発局技術開発室開発推進部開発統括担当部長の廣野二郎氏は説明した。また、VODとの連携も検討しており、「バッファリングやセカンドスクリーンとの連携時のパフォーマンスなど、どこまでできるのかを検証したい」と説明した。

■ テレビ朝日、「よゐこの無人島0円生活 5時間SP」で実施した視聴者参加型WEB連動番組のハイブリッドキャスト版をデモ
 テレビ朝日では、9月1日に放送した「よゐこの無人島0円生活 5時間SP」で実施したWEBブラウザからの番組チェックイン機能を活用した視聴者参加型WEB連動番組(セカンドスクリーンサービス)のハイブリッドキャスト版のデモンストレーションを行った。ハイブリッドキャスト対応テレビとスマートフォンをペアリングし、スマートフォンをテレビ画面のターゲットに向けて突くとテレビの中の魚を獲ることができる「スマホで突いてテレビのお魚を獲ろう!」やペアリングされたスマートフォンをテレビの前で振ると、テレビの中のお魚にエサをあげることができる「スマホを振って、テレビの中のお魚にエサをやろう!」といったハイブリッドキャストのデモを行った。
 編成制作局総合戦略部次世代テレビ推進担当部長の高室孝章氏は、「12月には運用レベルでの検証を予定している。番組についてはまだ決まっていないが、ゲーム性の高い番組を検討している」と説明した。

■ WOWOWは無料VODサービス「W流」タブレット向けハイブリッドキャストをデモ
 WOWOWは、無料のVODサービス「W流」のハイブリッドキャストのデモを行った。「W流」はWOWOWの動画コンテンツの一部を無料でPC向けに提供するVODサービス。スポーツ中継のダイジェスト映像や、歌手や選手のインタビュー、映画の予告編などの動画を視聴することができる。また、ユーザが選択した動画コンテンツと関連性の高い動画を表示する機能がある。

■ 関西テレビは競馬中継番組連動コンテンツ、北海道テレビは視聴者と出演者をシンクロさせるデモを実施
 関西テレビは、競馬中継番組に連動したハイブリッドキャストのデモを行った。タブレット端末からコース情報や馬の情報、オッズなどの情報を選び、テレビに表示することができるようになっている。なお、来年度にはハイブリッドキャストサービスとして提供開始する予定という。
 北海道テレビは、映像を楽しむ「ドキドキ感」を、他の視聴者や出演者などとシンクロさせるというサービス「シンクロにしてぃ」を提案。視聴者がタブレットなどとBluetooth接続できる心拍計を腕にはめて視聴すると、視聴中の心拍数の“上がり具合”を放送局などのサーバーに送信し、出演するアナウンサーらの心拍数の上がり具合と同様になったときに画面に「シンクロ」と表示。これで、アナウンサーと一緒に楽しんでいるような一体感を味わえる。
 このほか、TBSは番組関連のキーワードを手元のタブレット端末にも同時に表示し、タブレットを使ってキーワードを検索することができるデモ、日本テレビは「休日コンシェルジュ」というオリジナル番組と連動し、番組の進行にあわせてグルメ情報やイベント情報など番組の補完情報を手元のタブレット端末側のアプリケーションで見ることができ、さらに字幕の表示や切替えなどもタブレット端末をテレビのリモコンとして使うデモを行った。

会場の様子

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各社の4Kテレビ

各社の4Kテレビ

マルチスクリーン型放送研究会のCM連動デモ

マルチスクリーン型放送研究会のCM連動デモ

NHKのハイブリッドキャスト

NHKのハイブリッドキャスト

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