【NAB Show 2012】ARRIがユーザー会を開催 アレクサ新機能開発のロードマップを発表

2012.4.23 UP

ARRIのブース
画質比較

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■アレクサのロードマップを発表 5月に新ラインアップ「アレクサプラス 4×3」を出荷

 ARRIはNAB Show会期前日の4月15日、ユーザー会を開催し、展示内容やアレクサの新機能開発のロードマップを発表した。
 主力製品となったデジタルシネマカメラ「アレクサ」は、5月に新たなラインアップ「アレクサプラス4×3」を出荷する。既存製品の「アレクサプラス」に4×3画角のスーパー35ミリ相当のセンサーを搭載し、アナモルフィック撮影に適している。価格は6万7900ユーロ。

 アレクサMは、撮像部分と記録部分を分離させたタイプ。空撮や車内など狭いところでの撮影に適するほか、3D(立体視)など周辺機器が多い場合にも使いやすい。
 ソフトウェアによるアップデートも予定している。12年第3四半期に発表するバージョン7.0は、RAWファイルのデベイヤーアルゴリズムを改良する。「小さくてコントラストの高い被写体をより的確に処理できる」(説明員)という。
 また従来、プロレゾ形式を使った収録はHDまでだったが、これを2048×15336ピクセルの4×3画角および、2048×1152ピクセルの2K映像まで拡大。高解像度が求められる劇場用作品で使いやすくなる。

 さらに、REC709の中にダイナミックレンジの広い映像をより高効率に収められるトーンカーブ「LCC」(ローコントラストカーブ)ルックファイルを発表する。「予算の限られた作品では、LogCで撮影後、グレーディングしてREC709に収める工程は難しいという顧客の声を反映した」(説明員)という。
 年末までには、アビッドの新しいコーデック「DNxHD444」や、ステディカムでカメラ上下を反転するとき、映像を自動で調整する機能を披露する。
 iOSやMacOSから、イーサネットや無線LANでカメラを遠隔操作するための「オープンカメラアクセス」向けにSDKを公開。ベータテストを進めている。


■アレクサ 2000台が普及

 アレクサの使用実績としては、すでに2000台が市場で稼働し、2Dおよび3Dの劇場映画やテレビドラマ、CMで使用されている。
 米国および英国の実績では、各分野で利用される収録形式が異なり、2D映画はARRI RAW、3DはHD-SDI、テレビやCM制作ではプロレゾが多く使われているという。

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