【プロダクション】デジタル・ガーデン カラーグレーディングを開始 ダビンチリゾルブ導入

2012.10.22 UP

ダビンチリゾルブを導入した編集室「Bay204」
カラリストの二神真一氏

カラリストの二神真一氏

「Bay204」の編集卓

「Bay204」の編集卓

 デジタル・ガーデン(東京都渋谷区)は10月1日、同社本社スタジオの編集室「Bay204」に、ブラックマジックデザイン製「ダビンチリゾルブ」を導入。カラーグレーディング事業を開始した。
 同室はこれまで、「ファイナルカットプロ」(FCP)と「スモーク」を運用してきたが、この改修により、編集とカラーグレーディングを作業できる「ハイブリッド・ビジュアル・ベイ」のコンセプトで新たにスタートした。

■カラーグレーディングまでのファイルベース全行程に対応
 ログ形式によるデータ撮影カメラの増加により、仕上げまでの全工程をポストプロダクション内で行う需要が期待できるとして設置した。足立晋一社長は「社内ではファイルベース作業を進めてきたが、グレーディング設備がなかったことで、外部からはテープに記録した素材が搬入される場合もあった」と説明。ファイル取り込みからアウトプットまで社内で行うことで、ログの広い色情報を活かし、品質の高い作品作りにつなげていく。
 プラットフォームはMacを選択。社内でFCPやスモークを利用しており、柔軟なワークフローに対応するためにプロレゾ対応が必要だった。
 CUBIXのGPU拡張ボックスにNVIDIA「GTX580」3枚とレッドロケット1枚を搭載し、従来のリゾルブより大幅に処理能力が向上。複雑な処理でもストレスのないクリエイティブワークと4Kなどの高負荷処理も可能とした。

■将来的にはDIワークフローへ移行、試写環境も整備へ
 ストレージはロークデータ「ギャラクシーオーロラ24」(48テラバイト)。8ギガビットのファイバーチャネルで、SANネットワークを構築しフレームとデータ共有した。
 3システムを利用できる多機能室とした一方、データの取り込みや出力、追加作業が出来るサブシステムをユーティリティー室「Lab231」に設置し部屋の効率的な運用を目指す。
 室内では、カラリストがマスターモニターと民生モニターをストレスなく同時に見られるように配置。またクライアントスペースは広めに用意した。「今はオフライン編集後のカラーグレーディングが多いが、合成が必要な作品ではオンライン編集後のカラーグレーディングが理想。将来的にはDIワークフローに移行し、カラーグレーディング作業で試写ができる環境が求められるのでは」(設備を担当した二神真一氏)としている。
 壁はカラーグレーディングに適した無彩色で、モニターに面する壁は一段濃色とすることで映り込みを防ぐ。調光対応の高演色照明と、商品の色を確認するための標準光源装置も用意した。
 同社は、米ポストプロダクションのカンパニースリーと、ネットワークで両社を結んで作業する「リモートテレシネ」で、日本にいながら米国のアーチストと仕事ができる環境を作ってきた。今回の更新では、技術情報を共有しつつ日本仕様の環境を構築。カラリストの招へいについても話し合いを進めている。
 コンポジターに加えカラリストとして活動していく二神氏は、「自社でエディターとアシスタントで数人のチームを作り運用したい」と、育成に関する計画を話している。
(映像新聞 吉野和美)

カラリストの二神真一氏

カラリストの二神真一氏

「Bay204」の編集卓

「Bay204」の編集卓

#interbee2019

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