【プロダクション】映広 「Rawesome! 事業部」を新設 RAW制作を拡大し撮影から仕上げまで一貫態勢に

2012.10.17 UP

(左から)伊藤氏、宮下氏、加藤氏、吉田氏、小野寺氏
グレーディング室

グレーディング室

エピック3式を保有することになった

エピック3式を保有することになった

 映広(東京都千代田区)は、レッドデジタルシネマ社製カメラおよびRAWファイルに関する技術とノウハウを基に、映画やドラマの撮影から仕上げまで同社内で一貫制作する態勢を構築。「Rawesome!事業部」として新設し、9月1日から営業を開始した。
 映広では、これまで伊藤格氏が主宰する映像制作チーム「Rawesome!」と11年11月に 提携し、RAWメディア事業部を立ち上げ、カメラやカラーグレーディング機器を設置する中目黒のRawesome!スタジオと、紀尾井町の映広スタジオの2カ所で営業を展開してきた。その後約1年を経て、作業体制の効率化および双方事業への相乗効果をめざし、映広に設備とスタッフを集約。事業部として拡大した。
 機材は、カメラがエピック3台とレッド・ワンMX2台、レッド・ワン1台、付帯アクセサリー、ダビンチリゾルブ1式とSANネットワーク。

 事業内容は、
1)機材コーディネートやDITスタッフ手配、仕上げまでのオールプロダクション事業
2)機材レンタル
3)レッドカメラを使った安全で効率良いワークフローのワークショップ開催
4)システムインテグレーション
 と、従来と同様のサービスを提供していく。

 映広とRawesome!との提携は、深夜帯の連続ドラマ制作がきっかけ。当時、同番組のテクニカルディレクターに就いた伊藤氏は提携の経緯について次のように話す。
 「スケジュールがタイトなため、より効率の良い体制が必要になった。チーム化により、カラーグレーディングなど自分が担当してきた作業も円滑に進行できるほか、技術を若手に伝えられる。自身が制作するCMやPVを映広につなげることもできる」。
 映広は、レッド製品を使った業務の質で他社と差異化できるほか、小型で足回りの良いシステムのノウハウをレッド以外の業務でも生かせる。

 新たに設立した「Rawesome! 事業部」では、第1弾として、アビッドDS編集室に、アドビシステムズ「プロダクションプレミアムCS6」などを設置しSANに接続し、業務を開始する。今後、連続ドラマの制作ではプレミアプロでレッドのファイルを直接取り込んだり、ダイナミックリンク機能でソフト間を移動するなど活用するという。
 エディター兼システム管理の小野寺拓也氏はアビッドDS編集室について、「共有ストレージを生かしオンライン編集で使用していきたい」と話す。
 ノンリニアエディターの宮下蔵氏も「(規模感など)違いに驚く面はあるが、テレビの仕事は速度と質が伴えば、顧客はソフトの名前にこだわらない」と話す。
 カメラマンの加藤智則氏は、技術に明るい営業として、機材管理から既存業務でのレッドの活用提案まで幅広く担当する。
(映像新聞社 吉野和美)

グレーディング室

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エピック3式を保有することになった

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