【NAB Show 2012】キヤノンUSA 新製品シネマカメラ「EOS C500」、「EOS-1DC」を発表

2012.4.22 UP

新製品のEOS C500
試写会の様子

試写会の様子

■4K映像の試写会を開催

 キヤノンUSAは、新製品のシネマカメラ「EOS C500」および「EOS-1D C」を発表した。15日に開催した発表会は、パームス・カジノホテルのブレンダンシアターで開催され、顧客やプレスを招き、両機で撮影した4K映像の試写会を開催した。

 発表会の冒頭、開発時からプロジェクトに関わってきた撮影監督ジョン・ファウアー氏のあいさつに続き、エリオット・ペック米キヤノン上級副社長がこう述べた。「EOSシネマシステムは、キヤノンと(映画)業界が3年にわたり協力して成し遂げた。レンズ光学や撮像素子、デジタルプロセス、人間工学というキヤノンのコアテクノロジーが元になり、制作者のストーリーを映像化する。キヤノンはHDの次のステップとして、DIや上映に必要となる4Kを進めていく」と感謝を述べた。

 その後1DCのデモ映像を紹介。DSLRの権威であるシェーン・フルバート撮影監督の作品は、夜の街をタキシードとドレス姿の男女が走り抜ける。照明は基本的に使用しないにも関わらず暗部の発色が美しい。機動性の良さと感度の高さを生かしたものだった。

 C500では、ジェフ・クロンウェス氏が撮影した少年の成長過程を表す作品を上映。時代の表現が見事で、色深度の深さを生かした形となった。
 さらにカラーサイエンティストであるラリー・ソープシニアディレクターが、キヤノンログやワークフローを説明した。プロジェクターはバルコ製が使用された。


■キヤノンログに対応したC500

 ブースでは、両製品の出展エリアに多くの人が集まった。
 EOS C500は同C300の上位機種。解像度は4Kで、DCI規格(4096×2160ピクセル)および、QFHD(3840×2160ピクセル)の2種類に対応する。
 10ビット記録のキヤノンログで、ベイヤー形式に記録。2Kであれば12ビットまで対応する。また2Kであれば120フレーム/秒のハイスピード撮影が可能。4Kでは60pまでがフル出力で、120pの場合、縦が1K(1080ピクセル)となる。

 出力端子は3G-SDIおよびHD-SDI各2系統を搭載。これにより、形状はC300からやや変更され、これまでのグリップ部分を端子盤および吸気および排気部分に充てた。
 収録機材は計測技術研究所やアストロデザイン、コーデックスデジタル、AJAなどの製品が対応する。展示ではAJAの新製品「KiProクアッド」が使用されていた。
 価格や発売時期は公表していない。

 EOS 1DCは、スチル用のIDXを基に、小型軽量で狭い個所でも使いやすいというDSLRの利点を生かして製品化した。センサーが35ミリフルサイズのため、ボケ足が美しく、夜間撮影でもノイズが少ない。記録は内部のFカード。
 ファイナルカットプロ(6/7)用のプラグインソフトを提供。これにより、「切り出しと転送機能」から2Kまでの動画ファイルを編集プロジェクトに高速に取り込める。発売は12年10月。月産生産台数500台。オープン価格。
 EFシネマレンズは新製品を2本発表。機動性を重視した15.5-47ミリおよび、30-105ミリのテレズームで、ともに2万5000ドル以下の予定。市場で多く使われるこの範囲を、4本セットでなく2本で賄えるという。また現行ズームレンズの約半額というリーズナブルな価格が特徴である。

 「大きさはこれまでの約35センチから22センチ程度に、重さは4—6kgであったが、2.5kgを切った」(説明員)という。撮像素子はスーパー35ミリ対応。
 放送用レンズからは、「XJ80×8・8B」を展示。ひずみを抑え高精度な開発が特徴で、バーチャルセット用出力端子もつく。「XJ76×9」は筐体をモック展示した。
 現行品の86倍、75倍、72倍のそれぞれ後継機種となり、従来よりワイドよりに広げた。 同時に高倍率化と長焦点化を図るなど、使いやすさを追求した。防振機構も改良。パンニングの際、防振がききすぎてドリフトするのを抑える。

試写会の様子

試写会の様子

#interbee2019

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