InterBEE REVIEW2012 (JP)
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82 「今、NASAでは民間ベースのスペースクラフト打ち上げ(商業スペースクラフト)が始まっており、ドラゴンやオービタルサイエンスなどの民間企業が、テキサス州やニューメキシコ州、デラウェア州の海岸側などから一般人をのせて打ち上げることを計画しています。すると、より多くの人々がスペースクラフトの打ち上げを見られる機会が増えます。本物の力強さ、神々しい光というものを目の当たりに見ることができます。実際に目で見ないと人に伝えることもできませんし。壮大な光景ですね」「宇宙での国際共同開発で世界が一つに」為ヶ谷:「次のNASAでのロケット打ち上げはいつ頃ですか」グラブス:「大型ロケットを建設途中で、その詳細ミッションについても検討中です。憶測ではありますが、月やラグランジュポイントに必然的に戻ると思います。月やラグランジュポイントで、火星にいくためのスペースシップを建設します。火星は不可避の目的地だと思います。しかし、アメリカが単独でそれを行うとは思いません。多くの国々との共同作業だと思います。そのスペースシップは国際船になると思います」 「というのは、太陽系宇宙探索は世界規模で行うものですし、まして一国の政府のみがそのための資金を持つということは不可能だと思います。NASA単独での月面写真というのはもう存在しなくなると思います。ロシア、ヨーロッパ諸国、中国、そして日本などの諸外国と共同で宇宙遊泳を行っていくと思います」 「私は46歳ですが、いまだに宇宙にいくことに希望を持っています。もちろん、26歳の時のように可能性は高くはないですが。戦争と違い、宇宙の共同探索によって世界は一つとなるでしょう」為ヶ谷:「その通りだと思います」「NASAセンター内にTV番組制作環境が完備」為ヶ谷:「NASAの中には、ビジュアルのためのプログラムを担当しているグループはありますか」グラブス:「パブリックアフェア担当部署(広報担当)があります。さらに各NASAセンターでは、それぞれTV番組制作が行える環境が整っています。主に、それぞれのセンターでの科学やエンジニアリングについての番組ですが、教育番組も制作します」 「一つの面白い例として、金星の太陽面通過の時のことをお話ししましょう。大変珍しく、素晴らしいイベントでしたので、ジェット推進研究所、マーシャル宇宙飛行センター、ゴダード宇宙飛行センターなどと各センターから多くの人間が関わりました。ハワイ火山の山頂にカメラを設置し、リアルタイムの4K撮影を行い、NASA TVでライブのストリーミングを行いました。その映像では世界各地のスイッチングを行いながら、ストーリーをつけて配信しました。我々は、科学データをその場でリアルタイムに付加しながらストーリーをリアルタイムに構成していけるという例です」

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