InterBEE REVIEW2012 (JP)
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25 続いて、来賓として開会式に参加した、総務省 官房審議官 南俊行氏と、経済産業省 審議官の中山亨氏が祝辞を述べた。 南氏は、Inter BEEについて「世界最先端の放送機器・映像・音響機器が一堂に会して、新しい技術と技術が出会うことによって、さまざまな情報交流を通じて新しいビジネスチャンスが生まれる絶好の機会と期待している」と述べた。さらに「また、ポスト地デジの本命が何になるのかということに関し、一人一人の目でぜひ、確かめていただきたい」として、「ポスト地デジ」というキーワードを掲げた。放送のデジタル化の意義について「デジタルの良さ・特徴を活かした新しいサービス、特に通信と放送の連携をしたサービスを一日も早く、国民のみなさまにお届けできるような環境整備に力を傾けていきたい」とし、「デジタル化による新サービス創出の環境整備」が 放送のデジタル化の次なる課題であると示した。 南氏はまた、総務省が発足した「放送サービスの高度化に関する検討会」(座長・須藤修東大大学院教授)に言及し、「日本のお家芸でもある、高精細化、いわゆる4K / 8K、スーパーハイビジョンの実施をどうするかという問題とテレビの高機能化と呼ばれるスマートTV、の実用化のルールをどう決めていくのか、たぶん、この二つの流れはお互いに高めあうことによって、新しい刺激を産んでいくということだろうと考えている。一日も早く、実現に向けたロードマップをつくりあげたいきたい」と抱負を語った。 最後に、「まだ気が早すぎるのではないかと思われるむきもあるかもしれないが、この分野の変化・進化のスピードはものすごいものがある。ポスト地デジの10年先を見極めた上で、今から、アクションをとっていかなければ手遅れになる」と危機感を示し、「関係者の知恵を拝借しながら、きちんと道筋を立てていきたい」と括った。 経産省審議官の中山氏は冒頭、Inter BEEを「国内外の市場へ向けて、世界最高水準の日本の放送技術、機器をとりまく技術を発信していく大変良い機会」と位置づけ、「大いに活用して新しいビジネスが生まれていくことを期待している」と述べた。 続いて、日本のテレビなどの電機業界について、「家電エコポイントや地デジ移行の買い換え需要などの反動」や「歴史的な水準にある円高」などの影響もあり、「とりわけテレビ関連の企業はみな、非常に厳しい経営状況、経済状況にある」としながら、「ただ、その中にあっても、日本のものづくり、製造業のみならず、コンテンツ、デザイン、感性というものは、さまざまなものを含めた日本のものづくりは決して損なわれていないし、依然として世界最高水準だと信じ、信頼している」と日本のものづくりに対する期待感をにじませた。 中山氏はまた、10月に開催したCEATEC会場での体験を引き合いに次のように話した。「4Kのように新しい高精細なディスプレイを見て、きれいだと感動するとともに、一刻も早くこの美しさを十分に活かしたコンテンツを家でも楽しみたいと思った。それと同時に、インターネットへテレビがつながっていくとうことで、まさに放送と通信の融合、という形で新しいコンテンツサービスが広がるし、多様な新しい楽しみ方が生まれてくると心から楽しみにしている」。 中山氏は続けて、「経済産業省でも、JEITAと連携をして、『次世代テレビに関する検討会』( 委員長・慶応義塾大学特任准教授芦村和幸氏)を設置し、検討を進めている」と述べ、「総務省からも参加していただき、我々からも総務省が行っている放送サービスに関する検討会にも参加させていただいている。完全に相互乗り入れの形で、放送事業と、機器を作っていく、またコンテンツをつくっていくということが一体の、車の両輪として、これから先の姿をともに検討していこうとしている」と国際的な新市場の創出へ向け、官民一体の態勢を構築している状況を説明。「こうした検討会で早く先行きを示していくことが、まさに産業の活性化、新しい産業を産んでいくということにつながる。みなさんの意見をもらいながら、先に進んでいきたい」と意欲を示した。 この後、2012年国際放送機器展実行委員会、座間隆司委員長が開会宣言を行い、最後に、総務省、経産省、電波産業会、IABM、電子情報技術産業協会、実行委員会から、代表者が参加してテープカットが行われた。■総務省 官房審議官(情報流通行政局担当)  南 俊行 氏■経済産業省 審議官(商務情報政策局・クリエイティブ産業担当)  中山 亨 氏「デジタルを活かした新たなサービスを」「放送と通信の融合で多様な楽しみ方を」

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