InterBEE REVIEW2012 (JP)
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■幅広い意見をとりあげて情報交換 Inter BEE 2012での初の試みとして、映像制作のプロによるコミュニティ「映像・技術交流会」に休憩スペースを提供し、「技術・交流カフェ」を設けた。 「映像・技術交流会」は、急速に進歩・変化する映像制作の技術に関して、現場の経験や知識を共有しようという集まり。メンバーは60人を超える。 昨年の設立以来、これまでに6回の会合を実施している。また、SNSを通じて、リアルタイムにテーマの提案や情報交流を活発に行っている。これまでに扱った主なテーマは、4K、Thunderbolt、カラーコレクションなど。特定の製品などについての情報交換や、検証会なども行ってきた。参加者は、ポストプロのエディターやカラリスト、撮影や照明の技術者、CG、VFXのアーチストなど多彩。メーカが主催する内覧会や特定のツールのユーザ会と異なり、さまざまな立場やユーザが集まるので、幅広い意見を交換できる点が特徴だ。 映像・技術交流会の創設メンバーの一人、モーションワークス VFXアーチストの石河慎一氏は、「撮影現場とポストプロの関係がもっと密接になれば」と、SNSを通じてそうしたコミュニケーションが活発になり、2011年の7月に、約20人が集まり、映像・技術交流会第1回目の会合が開催されたという。 「日頃から抱えてる技術の問題点をあげ、解決策を皆で練ったりと大変有益な会合となりました。会合は現在に至るまで6回ほ垣根を越えた映像制作のプロ同士が交流「映像・技術交流会」デジタル技術革新の中、コミュニティで問題解決へど続いています。皆で自由に発言し、皆で動き、盛り上げていこうという主旨を持っています」という。■「情報クローズの時代は終わった」 やはり創設メンバーの一人で、サイボウズによるSNSを構築したのが白組のシステム部 部長を務めている鈴木勝氏だ。鈴木氏は、白組で、設備管理やライセンス管理などシステム周りを担当しており、現在では撮影から仕上げまで一連のワークフローのトータル的なシステム管理を行っている。 「映像・技術交流会は、CGプロダクションだろうがポストプロだろうが、皆が意見を交換し合って問題点を解決し、お互いに力を合わせてクオリティーの高い無駄のない全体ワークフローを構築しようではないか、ということが主旨となります。それぞれ特化された役割があり、その点を寄せ合ってコラボすべきなのです。情報をクローズする時代は終わっています。もう情報を共有することに恐れはありません」と鈴木氏は話す。 SNSサイトには、技術にまつわるさまざまなカテゴリーがあり、それぞれに多数の書き込みがあり非常に活発だという。「疑問に思ったことを書き込むと、想像以上にレスポンスが返ってきます。アイディアの泉というようなイメージでしょうか。今まで自分で隠し持っているスキルと思っていたことでも、実はほかのクリエイターも知っていた、あるいは自分が知らないほか方法がまだたくさんあったなど、新たな発見も多いですね。情報を共有して皆でInter BEE Review 2012 Topics Guest Interview522

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