Inter BEE 2024 幕張メッセ:11月13日(水)~15日(金)

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メディア・ソリューション 2020.04.09 UP

【イベント担当者必見!Inter BEE出展事例】フェアーウェイ 映像データを遠隔地に安全でスムーズに送りたい 価格を抑えた映像制作会社ならではの映像伝送サービス「ixBee」

 映像制作会社として33年の歴史を持つフェアーウェイ。2000年からIT 事業にも参入し、映像制作会社ならではの自分たちが直面する悩みをITで解決するソリューションを提供している。Inter BEEには数多くの出展経験があるが、直近では4回連続の出展となる。Inter BEE 2019のICT クロスメディア部門では、映像伝送を主軸に据えた通信サービスの「ixBee」(イクスビー)、「ixPyder」(イクスパイダー)をお披露目し、これらを中心にブースを構えた。

 フェアーウェイで企画宣伝部 部長を務める野室和佳子氏に、映像制作会社が通信サービスの提供にまで取り組む意義と、Inter BEE 2019での来場者へのアピールポイントについて聞いた。

複数の一般回線を束ねて高速化・高信頼化 低料金で使える映像伝送向けの通信サービス

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4K/8Kにも対応する新たな通信サービスとして提案する「ixBee」

 2019年でInter BEEに4回連続の出展となるフェアーウェイ。前回のInter BEE 2018では、モザイク処理を容易にする専用の編集機「GANTAI」(ガンタイ)を中心に出展した。Inter BEE 2019では、安定した映像伝送を低コストで実現する新しい通信サービスを出展の中心に据えている。

 野室氏は2019年の出展のねらいについて次のように話す。「4K/8Kの制作が広がっていく一方で、高精細な映像伝送はコストがかかる。フェアーウェイでは、4K/8Kを含めた高精細なパブリックビューイングなどを容易に実現できる新しい通信サービス『ixBee』(イクスビー)を発表した。Inter BEE 2019ではこの『ixBee』をメインで展示した」

 野室氏は「自分たちが映像制作会社として業務を進める上で、既存の製品やサービスでは痒いところに手が届かないところがある。データを共用し活用できるサービスをお披露目することで、来場者にも新しい価値の創出のきっかけをつかんでもらいたい」と話す。

1Gbps一般回線を束ねて高速高信頼の通信回線を提供

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特許出願中の技術により回線を複数束ねることで、2Gbpsで2拠点間を結ぶ

 ブースの壁面には「データは持っているだけではただの財産だ。データは誰かと共用し活用することで資産になる、価値が生まれる」というコンセプトが掲げられている。
 「『ixBee』は主に映像伝送を想定した通信サービスで、2拠点間の通信に加え、3カ所以上の拠点をつないだ伝送サービスも可能だ。映像伝送の回線には通常、比較的安価な最大1Gbpsの一般回線を使うことがあるが、帯域が不足したり安定性に欠けたりすることがある。一方で、1Gbpsを超える回線となると、次の選択肢は10Gbpsのイーサネット専用線となるが、非常に高額な料金設定となり、中小企業での利用が難しい。この両者の間を埋めるような通信サービスとして『ixBee』を開発し、提供することにした」(野室氏)

 「ixBee」は、 高速性と通信の安定性を保ち、同時に10Gbpsの専用線のような高額な料金にならない料金設定になっているのが特徴だ。同社が特許出願中の、1Gbpsの一般回線を複数束ねる技術を用いている。
 2拠点間を結ぶパッケージの場合、一般回線を2回線束ねた最大2Gbpsの速度が可能。3拠点以上の複数拠点を結ぶサービスでは、ネットワークの中心にフェアーウェイのデータセンターを介する構成を取るカスタム型のサービスとなり、束ねる回線数の設定も柔軟に対応できる。

 デモでは「ixBee」を使ってブースのステージとフェアーウェイの本社間を映像伝送するデモを実施した。
 「幕張メッセなどのイベント会場では、展示会開催時に通信環境が劣悪になることがある。専用線1本では、たとえ高速であっても回線が途切れたら通信も切れてしまうが、『ixBee』は複数回線を束ねているため、1本にトラブルがあっても通信を継続できる。2回線以上の一般回線を束ねることで、安定した映像伝送が可能なことを確認してもらえた」

 「『ixBee』の特許技術は、低コスト、通信の安定性に加えて、セキュリティ面での信頼性向上にも寄与する。通信するデータの側から見ると、複数回線にデータを分散して送ることになるため、万が一の場合に1回線のデータを盗み見られても、本来の通信内容の漏洩は防げる。こうした特性から、映像伝送用途に限らず、セキュリティを確保した高速通信が求められる用途でも利用してもらいたい」(野室氏)

1年の中でも最大の広告、出展企業間の交流に期待

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Inter BEE出展の宣伝効果を評価しつつも、来場者の関心を集めるためのさまざまな工夫を展開

 Inter BEEにこれまで数多く出展し、直近では4回連続の出展になるフェアーウェイ。野室氏は「Inter BEEに出ることは、1年のうちでも最も大きな広告であり、大きな効果が得られている」と話す。「この数回、毎回同じ場所にブースを設けることができている。『去年もここで出展していたね』といったお声掛けをもらうこともあり、企業認知につながっている。事務局にも様々なケアをしてもらえていて、出展企業としてはとても助かっている」(野室氏)

 一方で「来場者をブースに集めるには、少なからず苦労がある」と話す。「来場者の関心を高めるには、ブースの中でいかに頑張るかしかできることがない。最寄りの海浜幕張駅から会場の幕張メッセの間は大企業の広告で埋め尽くされているが、中小企業には手が届かない。中小企業でも移動経路上に集客のための露出ができるような場所や低料金の屋外広告メニューがあると、来場者により強くアピールできるだろう」(野室氏)

 野室氏はまた、出展企業同士の交流の機会があれば、それも「出展効果として期待したい」と話す。
 「会場には関連する業界の人々が数多く来ているはずだが、現実的には出展企業は他のブースを見て回れず、他企業と交流できない。特に中小企業同士では交流や情報交換が難しいと感じている。出展企業は、相互に顧客になりうると感じており、中小企業を中心にした交流やコラボレーションの場があると、より出展の効果が高くなるだろう」(同)

 本記事をはじめ、昨年11月13日から15日まで開催したInter BEE 2019について報告した冊子「Inter BEE REVIEW 2019」がさきごろ完成。ダウンロードで無料入手可能。

(Inter BEE 2020 ニュースセンター)

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企画宣伝部 部長 野室 和佳子 氏(右) 企画宣伝部 吉田 萌 氏(左)
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