Inter BEE 2024 幕張メッセ:11月13日(水)~15日(金)

キャプション
Special 2020.11.10 UP

【Inter BEE 2020】特別イベント「X-Cinema」開催 日本映画撮影監督協会(JSC)と日本映画テレビ照明協会(JSL)の協力で、映画、ドラマ、CM制作の最新情報を発信

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 今年11月18日から20日までオンラインで開催するInter BEE 2020で、特別企画「X-Cinema」(エックス・シネマ) が開催される。日本映画撮影監督協会(JSC:浜田毅 理事長、以下「JSC」)と、日本映画テレビ照明協会(JSL:望月英樹会長、以下「JSL」)の協力を得て、映画、ドラマ、CMなど国内外の映像制作の最前線で活躍する現場の担当者が登場するセッションを開催する。
 記念すべき第1回となる今回は、以下の3つを配信する。

【セッション1】 「緊急企画:コロナ禍における撮影現場、制作現場のセキュリティ現状 パネルディスカッション」[11月18日(水)]

【セッション2】 「日本映画キャメラマン スペシャルトークセッション2020 木村大作/浜田毅」[11月19日(木)]

【セッション3】「映画撮影機材2020 トーク&レビュー」[11月20日(金)]

■セッション1 コロナ禍における映像制作現場の最新状況や最新の感染防止対策を紹介

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パネリストとして参加する医療コーディネータージャパン代表 堀エリカ氏と 日本映画テレビ照明協会(JSL)副会長で株式会社爽風企画新社 代表取締役社長の西野哲雄氏

 X-Cinema最初のセミナーのタイトルは。「緊急企画:コロナ禍における撮影現場、制作現場のセキュリティ現状 パネルディスカッション」(11月18日(水))

 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の発動により、4月から6月まで多くの撮影現場が中断、延期を余儀なくされた。6月の現場再開以降、各現場では様々な感染防止対策が行われているが、コロナ禍以降の撮影現場の現状、具体的感染防止対策の様子、実際の現場での対策状況、医療専門家から見た必要条件などをライブ配信のパネルディスカッション形式で討論する。

 映像・放送の制作現場における、新型コロナウイルスへの感染対策の最前線を知ることができる。撮影監督、照明技師などによる現場の生の声と、新型コロナウイルス対策の専門家によるアドバイスや最新情報などを取り上げながら、必要な知識、今後の対策などを話しあう。また、現場の最前線で活躍する撮影監督、照明技師の方々から、実際の制作現場での状況やそれぞれの立場からのコメントを収録映像で参加予定。

 当日のパネリストには、医療コーディネータージャパン代表で、自らも看護師・医療コーディネーターとして活動し、救急救命士・立教大学兼任講師などの肩書きも持つ堀エリカ氏と、 日本映画テレビ照明協会(JSL)副会長で、 自らもDF、VP、映画、ミュージックビデオの照明技師として優秀照明賞など多数の受賞歴を持つ、株式会社爽風企画新社 代表取締役社長の西野哲雄氏の2人が参加。



 さらに、重森豊太郎氏(撮影) × 中須岳士氏(照明)、山田康介氏(撮影) × 宗 賢次郎氏(照明)、杉田真一氏(監督) × 鈴木周一郎氏(撮影)のみなさんから、さまざまなジャンルの映像制作におけるコロナ対策の現状についてお聞きする。

 日本の商業映像の最前線を支える現場のクリエイターが集まり、コロナ禍の現状と課題を論議するのは、おそらく初の試みといえるだろう。

■セッション2 日本映画界の至宝、木村大作氏とJSC 理事長でアカデミー会員に選出の浜田毅氏が対談

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撮影技師で映画監督の木村大作氏(中央)と撮影監督で日本映画撮影監督協会(JSC)の理事長を務める浜田毅氏氏(右)

 2日目、11月19日に配信する「日本映画キャメラマン スペシャルトークセッション2020 木村大作/浜田毅」では、黒澤組で撮影助手を担当、1970年代以降の日本の映画撮影キャメラマンとして数々の名作を撮影され、自らも監督として名作を残されてきた、日本映画界の至宝、木村大作氏と、映画「おくりびと」などで数々の賞に輝く浜田毅氏が、これまで関われた映画作品や、撮影の現状、また黒澤明監督の現場の秘話などを語るスペシャル対談。

 撮影技師で映画監督でもあり、日本映画撮影監督協会(JSC)の名誉会員である木村大作氏は、黒澤明監督の名作「隠し砦の三悪人」(1958)から「どですかでん」(1970)まで撮影助手として従事した後、1973年の「野獣狩り」で撮影技師としてデビュー、「八甲田山」「復活の日」「駅 STATION」「小説 吉田学校」「居酒屋兆治」「鉄道員(ぽっぽや)」など、数々の近代日本映画の名作を撮影されている。
 また2010年からは自ら映画監督としても活躍、監督初回作「劒岳 - 点の記」では、第33回 日本アカデミー賞 最優秀監督賞、最優秀撮影賞を受賞。その後も「春を背負って」「散り椿」と作品を発表。平成15年 紫綬褒章、平成22年 旭日小綬章を受勲、そして本年は文化庁より、令和2年度の文化功労者に選出された。

 撮影監督であり、日本映画撮影監督協会(JSC)の理事長を務める浜田毅氏は、大蔵(おおくら)映画に撮影助手として入社後、数多くの現場に撮影助手として参加した後、三船プロダクションに移籍後フリーとなり、『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』(1983/森崎東監督)で映画カメラマンとしてデビュー。その後、「マークスの山」「血と骨」(雀洋一監督)、「岸和田少年愚連隊」(井筒和幸監督)などの作品を担当。
 2008年には、「おくりびと」(滝田洋二郎監督)で、第81回米アカデミー賞 外国語映画賞を受賞している。平成26年に紫綬褒章。今年、米国 映画芸術科学アカデミーから、アカデミー会員にも選出されている。

■セッション3  近年発表された最新のカメラが集結! 撮影現場のプロが評価

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JSC 技術委員会の磯貝委員長をはじめ、映画、CM、ドラマなどの撮影を手掛けるカメラマンの前に最新のカメラが勢揃いしたスタジオ(現時点でお見せできないカメラもあるため隠しています)

 最終日20日の「映画撮影機材2020 トーク&レビュー」では、2019年から2020年に発売された、最新の映画撮影機材をピックアップして、それぞれのカメラ撮影経験者、使用事例の関係者をゲストに迎え、カメラ特性や新機能、技術トレンドなどについて意見交換するトークショーを開催。

 この1年間に発表された、主要なシネマカメラの最新機種が勢揃い。JSC技術委員会の磯貝均氏と、撮影監督の石坂拓郎氏、最新のワークフローに詳しいMotiの北山壮平氏、フリーカメラマンの田村雄介氏、松崎ヒロ氏を加え、機材紹介と共に現場の最新事情や現場の実情、傾向も含めて紹介する。

■放送・映像業界関係者4万人が集まるInter BEE、今年はオンラインのみの開催に

 X-Cinemaは、56年の歴史を誇る国際放送機器展 Inter BEEが今年2020年に初の特別企画として実施する。50周年となる2015年開催から「Experience」(体験)を取り込んだ特別企画を取り入れてきた。X-Cinemaは、こうしたリアル・イベントならではの「体験する」催しとして、映画制作の撮影現場を実際に再現し、撮影を担当した撮影監督や照明技師らが、デジタルシネマの撮影現場に関する最新事情などを盛り込みながら解説するイベントとして企画された。 

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JSC、JSLの協力で料理店に本格的な撮影セットが組まれた

 記念すべき第1回となる今回は、新型コロナウィルスの影響でオンラインのみの開催ととなるが、国内外で活躍する撮影監督や照明技師など、多彩な講演者が登壇する。

■JSC、JSLの協力により最前線で活躍するプロが参加

 映画撮影やCM、MV、TVドラマなど、さまざまな商業映像作品の制作に携わる日本の撮影監督428人・社の会員を擁するJSCと、同じくさまざまな商業映像作品の撮影現場で照明技師として活躍する575人(2003年)の会員を擁するJSLという、日本の撮影現場を支えるプロが参加する両協会の協力を得ることで、最前線で活躍する撮影監督、照明技師の方の参加協力によるイベント開催が可能となった。

 進行役・聞き手として各セッションに参加し、今回のX-Cinemaのプロデュースを担当したDVJ EXPRESSの石川幸宏氏は次のように話す。「X-Cinemaは当初、映像制作に携わる、あるいは目指す人達に『デジタルシネマで進化した最新の映画の現場を体験してもらう』ということをめざして企画した。今回はオンラインのみの開催ということもあり、大変困難な条件の中での開催となったが、収録・ライブともに、カメラ等撮影機材メーカー、および、JSL、JSCの全面的な協力のもと、コロナ対策を実施しながらとても充実した内容で実現の運びとなったことを心よりお礼申し上げたい。ぜひ、多くの方々にご覧いただき、映像制作の最新状況やコロナ禍における現状と課題について共有できればと思う」

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