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2018.1.15 UP

【INTER BEE CONNECTED 2017報告】(7)「YOUは何しにTVへ?〜若手テレビ局員が激白!」若手たちが熱く語るテレビへの想いとやりがい

北海道テレビ放送の松山さんはバイノーラル音声を使った番組を企画
北海道テレビ放送の松山さんはバイノーラル音声を使った番組を企画
MXテレビの鈴木さん(左)と南海放送の杉本さん(右)
MXテレビの鈴木さん(左)と南海放送の杉本さん(右)
南日本放送の武藤さんは人気番組『てゲてゲ』を担当
南日本放送の武藤さんは人気番組『てゲてゲ』を担当

 昨年、幕張メッセで開催したInter BEE 2017の特別イベントINTER BEE CONNECTED。2日目の11月16日、3つ目のセッションは、3人の若手テレビ局員を集めてその苦労や思いを赤裸々に語ってもらう企画だ。
 入社4年目の北海道テレビ放送・松山雄介さん。入社2年目の東京メトロポリタンテレビ(MXテレビ)・鈴木絢子さん。入社2年目の南海放送・杉本雅さん。そしてやや先輩の入社9年目、南日本放送・武藤久さんの4名がパネリストとして登壇した。テレビ東京の人気番組をもじったタイトルのこのセッションを。元讀売テレビ・アナウンサーで現在京都産業大学教授、脇浜紀子氏が先輩としてモデレート。楽しい雰囲気ながら若手たちの熱い想いも伝わるユニークなセッションとなった。
(コピーライター/メディアコンサルタント 境 治)


■全国から集まった4人のユニークな若手制作者
 このセッションでいい意味で予想外だったのは。集まった4人がそれぞれ個性的でユニークなテレビ局員だったことだ。
 まず新鮮だったのが北海道テレビ放送の松山さんだ。技術職で入社したが希望を出して2年目で制作に異動。さっそく自社制作の番組で実験的な挑戦に取組んできたという。
 バイノーラル音声という技術があり。特別なマイクで集音すると人間が耳で聞くのとほとんど同じように音が聞こえるそうだ。この技術を使った番組を制作し、イヤホンを装着して見るよう視聴者に案内。途中には一瞬画面を真っ暗にして音声に集中させる部分もあったという。
 技術出身ならではの発想だが。イヤホン装着も真っ暗な画面も前代未聞だ。茶目っ気たっぷりの仕事ぶりで、今後が楽しみとなった。

 MXテレビの鈴木さんはいかにもこないだまで女子大生だったような雰囲気。スタジオを走り回っている姿は想像もできないが『ひるキュン!』という月金ひる12時の帯番組を担当し。頑張っているという。
 この番組は「80年代のテレビの再現」がテーマとして持つが。鈴木さんが生まれてもない頃の話で、知りもしない話題を取り上げるので追いつくのに必死だと大変そうに語るのだが。それが楽しそうにも見えた。


 南海放送の杉本さんもフレッシュな雰囲気だが『もぎたてテレビ』という看板番組の制作に日々追われているという。こちらは毎週日曜日ひる11:45からの情報番組で。杉本さんも取材してVTRを制作しているそうだ。40分間のVTRを、取材から交渉。撮影。編集までひとりでやらねばならない。そうやって出会ったお店のおばあちゃんのエピソードを生き生きと紹介する様子から、大きなやりがいを感じていることが伝わってきた。

 南日本放送の武藤さんは同局の屋台骨である『てゲてゲ』に携わっている。「てげてげ」とは「いい加減」という意味で。ゆるゆるのテイストで鹿児島の地域の話題や情報を掘り下げる番組だ。やはりひとりでVTRを制作するのは当たり前。
 だがそんな番組が時に20%近くの視聴率を獲得し。同局を県内トップのテレビ局に押し上げている。


■地域と接する中で何を生み出せるかが問われる
 そんな四人の若者に、脇浜氏は面白いテーマを投げかける。業界で話題になっている動画配信サービスを使っているかとの問いかけには、Yesと答えたのは松本さんだけ。他の三人は忙しすぎてそもそも地上波テレビさえ十分に見ることができないという。
 いま何かと話題の「働き改革」については、四人ともそんなこと言ってられないと苦笑い。だがそれは、番組制作を楽しんでいるからとも感じた。

 最後に脇浜氏が聞いた「テレビはオワコンか?」の問いに、武藤さんの答えたことが印象的だった。「鹿児島で暮らす人間として。地域と接して自分が何を生み出せるかだと思う」この意識こそがテレビ制作者にもっとも必要であり、それを彼ら彼女らが自覚していればこの難しい時代も乗り越えていけると思えた。
 テレビ局は就職で人気企業とも言えなくなってきたらしいが。その楽しさと社会的意義を若い人たちが見出してくれるのなら、これからに期待できる。今回の四名の今後の活躍に、期待したい。

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