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2017.12.25 UP

【INTER BEE CONNECTED 2017報告】(3)「本格化する“スクリーン選択“の時代の見取り図を描く」電通とビデオリサーチが複雑化するメディア行動の解析に挑む!

渡辺氏が見せてくれた「ソーシャル・シークエンス・アナリシス」
渡辺氏が見せてくれた「ソーシャル・シークエンス・アナリシス」
いまやもう、タイムシフト視聴型が28.0%、スマホシフト型は34.3%もいるという
いまやもう、タイムシフト視聴型が28.0%、スマホシフト型は34.3%もいるという
メディアライフスタイルは変化する可能性もあるのだが。渡辺氏によればタイムシフト型がテレビに回帰する可能性はほぼないという
メディアライフスタイルは変化する可能性もあるのだが。渡辺氏によればタイムシフト型がテレビに回帰する可能性はほぼないという

 InterBEE Connected会場では今年も200人規模のステージと客席が設けられ。毎日多彩なセッションが開催された。初日の11月15日。10時30分からは3日間の最初を飾る企画として「本格化する“スクリーン選択“の時代の見取り図を描く〜電通・ビデオリサーチによる挑戦」と題し。人びとのメディア行動を最新の手法で解析する試みが披露された。私たちがイメージしていたより状況は大きく変化しており。驚かされるデータの数々に来場者は熱心に見入っていた。(コピーライター/メディアコンサルタント 境 治)


■斬新な手法でテレビと人びとの関係を浮き彫りに
 セッションは、電通メディアイノベーションラボ・奥律哉氏のモデレーションで。同じく電通の三輪晃氏とビデオリサーチの研究員・渡辺庸人氏が交互に調査結果を発表。それに対しビデオリサーチ・ソリューション局の石松俊之氏がコメントを加えていく形式で進められた。披露されたデータは単純に「若者がテレビと接触する時間が減っている」というようなものではなく、テレビやスマートフォンに人びとがどう接触しているのか。その背景にはどんな要因があるのかなどを考えさせられる、これまでにない切り口のものばかりだった。

 中でも。渡辺氏が見せてくれた「ソーシャル・シークエンス・アナリシス」という手法はもともとDNAなど「配列」を分析するのに使われていたやり方で。人びとの生活行動とメディア接触の2つの側面から行動パターンで整理していくものだという。まったく新しい手法で、目が覚める思いだった。


■新手法ソーシャル・シークエンス・アナリシスで何が見えた?
 この手法で人びとのメディアライフスタイルを見て行くと。いくつかのパターンに分類できる。テレビが中心だが視聴時間の核がどこかで「テレビ夜型」「テレビ朝夕型」「終日テレビ型」に分かれるし。「ラジオファン型」も1.8%いる。そしてどの世代にも満遍なく存在する「タイムシフト視聴型」さらにほとんどテレビを見ない「スマホシフト型」もはっきり調査に出てきた。

 その割合はいまやもう、タイムシフト視聴型が28.0%、スマホシフト型は34.3%もいるという。これまでの普通のテレビ型はリアルタイム視聴が中心だが。いまや少数派になろうとしているのだ。

 渡辺氏の発表の後半では、このソーシャル・シークエンス・アナリシスで2002年のデータも解析し。2017年の結果と対比して見せた。これがまた衝撃的な内容だった。


■2002年から15年間ですっかり変わったメディアライフ
 この15年間で人びとの生活スタイルや働き方は大きく変化した。2002年はフルタイム型で働く人が54.8%おり、それに対応するかのように「テレビ夜型」「テレビ朝夕型」が合わせて47.4%いた。また2002年には「テレビライト視聴型」が38.5%とかなりのボリュームを持っていた。これは2017年にはいなくなった層だ。この変化は。若者に絞るとはっきり見えてくる。10代のデータを比べてみると。2002年にはテレビライト視聴型がマジョリティだったのに、2017年にはそれが「スマホシフト型」と「タイムシフト視聴型」に分化したように思える。このようにメディアライフスタイルは実は変化する可能性もあるのだが。渡辺氏によればタイムシフト型がテレビに回帰する可能性はほぼなさそうだという。

 渡辺氏の発表を中心に紹介したが。このセッションは非常に内容が濃く。とてもここですべてを書き尽くせない。だがとにかく、いまいかに人びとのメディア接触の実態が激変しているかは渡辺氏の発表からよくわかったと思う。電通とビデオリサーチのメディア調査はおそらく今後も継続されるだろう。また新しい成果が出たら。2018年のInterBEE Connectedで披露してくれることを期待したい。

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