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2017.9.6 UP

【NEWS】BIRTV報告(2)躍進する中国経済と映像業界の進展 新たなビジネスモデル創出への胎動

創業100周年で意気軒昂のARRIブース
創業100周年で意気軒昂のARRIブース
ロボットアームとジンバルの組み合わせによる撮影システムなどをデモ
ロボットアームとジンバルの組み合わせによる撮影システムなどをデモ
AIを駆使した自動コンビニシステム
AIを駆使した自動コンビニシステム
北京市内にはレンタル自転車があふれている
北京市内にはレンタル自転車があふれている

 今年のBIRTVでも、中国市場にあわせて幾つかの注目の新製品が発表されている。
 パナソニックは、6月に発表した小型のシネマカメラ“AU-EVA1”の実機を、世界に先駆けてこのBIRTVで初公開。同時に欧州で撮影されたデモ映像も一般初公開された(上写真)。
 AU-EVA1は、5.7Kの新開発スーパー35mmセンサーを搭載、4K 10bit 4:2:2を実現している。4Kで最大60P、2Kでは240Pまでのバリアブルフレームレート記録も可能。そしてVARICAM の流れを継承するデュアルネイティブISO搭載で、ベース感度ISO800と、もう一つのベース感度ISO2500を設定でき、高感度、低ノイズを実現している。(VARICAM 35/LTは、ISO5000)またVARICAM LTで注目された、IRフィルター(赤外線カットフィルター)を同社初のON/OFF機能がついている。

 その他目立った展示では、ARRIが今年100周年ということで意気が高く、比較的大きなブースを構えていた。新製品はALEXA MiniやAMIRA用(2種)のFSNDフィルターを開催前日に発表、各0.3〜2.4まで8種の番手が揃っている。

 SONYは一般の貨物コンテナを白いペイントでモディファイしたユニークなブースデザインで、事前に他の場所で中の立て込みもできるので、設営も楽だったという。超解像のCLED(クリスタルLED)パネルを会場のステージ後方に設置。

 DJIは自国開催にしては、ブースとしては大きくなかったが、ドローンのデモや展示は少なく、RONIN2を中心に、遠隔操作でのロボットアームとジンバルの組み合わせによる撮影システムなどをデモしていた。

■ICT、IoTが急速に進む中国
 今回の訪中でまず感じたのは、ICT、IoTを駆使した様々な民間サービスの急速な普及と発展ぶりだ。まず街中で買い物をするときに現金を使っている人をほとんど見かけない。特に若い層はすべてスマートフォンによる「We Chat(ウィーチャット)」での支払いや流通が日常的に行われている。

 We Chatは日本のLINEに相当する中国のメッセンジャーアプリで、登録総数13億人強、月間アクティブユーザー7億人を数える世界最大のユーザー数を誇る。このうち4億人はペイメントアプリ「ウィーチャットペイ」を利用しており、これでコンビニやレストラン、そしていま急増するレンタルバイク(貸し自転車=1時間あたり1元で乗り放題)。
 会場にこれを使って訪れる来場者も多く、会場の目の前の道路の一車線は開催中は連日すべてこのレンタルバイクで埋まる光景を目の当たりにする。この利用もすべてこのアプリでの支払いのみ可能だ。中国の人にとってはすでに日常的な支払い方法になっている。

 実はBIRTVの会場内にも、このシステムを使った新たなビジネスモデルが諸々紹介されていた。中でも興味深かったのは、AIを駆使した自動コンビニシステム。タタミ一畳ほどのボックス型のコンビニの入り口に、指紋認証と顔認証、そしてスマホのQRコード読み取りで本人IDを確認するインターフェースがあり、承認したあと自動ドアが開き店内へ。店内のお好みの商品を持っていくことができ、そこにはAIと連動するカメラ4台が設置され、誰が何を持っていったか記録される仕組み。
 もちろん決済はそのままウィーチャットペイで、口座引き落としになる。今回は劇場のコンセッションなどに設置する目的での展示だが、すでにオーストラリアでは一般的な店舗として100台ほどが設置、さらに日本の大手コンビ二チェーンなどからも引き合いがあるという。
 こうしたIoTシステムの進化と日常化から、中国では日本の常識を覆すようなアイディアの新たなビジネスが多々生まれている。それは映像業界でもすでに起きつつある事象で、今年のBIRTVでは中国におけるビジネススピードと新技術の吸収力・浸透性の高さに驚かされた。

(HOTSHOT編集長/映像ジャーナリスト/Inter BEE 2017 ニュースセンター 石川幸宏)

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