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2017.2.15 UP

【INTER BEE CONNECTEDセッション報告(9)】「多チャンネル放送事業者の新展開」変革期を迎えた多チャンネル放送の、新しいあり方を模索する試案を議論

藤井氏が提示したキュレーションTVという概念
藤井氏が提示したキュレーションTVという概念
視聴したことを証明するコードを用いてゲーム会社などとの連携も提案
視聴したことを証明するコードを用いてゲーム会社などとの連携も提案

 2016年11月、Inter BEE 2016の会場で開催されたINTER BEE CONNECTED企画セッション、三日目最初のセッションは「多チャンネル放送事業者の新展開」。CSやCATVでチャンネルを展開する事業者の現状とこれからに向けての試みをディスカッションした。パネリストとしてFOXネットワークの石澤潤氏、キッズステーションの木村貴行氏、ソニー・ピクチャーズでアニマックスやAXNを担当する藤井尚史氏が登壇。江口靖二事務所の江口靖二氏がモデレーターを務めた。
(コピーライター/メディアコンサルタント 境 治)

■変革期を迎えた多チャンネル放送
 まず江口氏がこのセッションの趣旨を説明。多チャンネル放送が始まった時以来の変革期を迎え、新しい有料多チャンネル放送のあり方を考える取組みをIPDCフォーラムの枠組みの中で行ってきており、このセッションではそこで出てきたアイデアを披露してもらうと述べた。ただし、ここでの見解はあくまでパネリスト個人のものであり、それぞれの所属企業の意見ではない旨も添えられた。

■膨大なコンテンツを生かす新提案「キュレーションTV」
 石澤氏は、エンターテイメント業界は決して悲観的状況ではなく、スクリーンが増える一方であることを考えればむしろチャンスがふくらんでいると思う、と話をはじめた。それを受けて藤井氏が提示したのが、キュレーションTVという概念だ。多チャンネル放送が送り出す莫大な量のコンテンツ。その編成を“モジュール化“し、お客さんの嗜好や属性に合わせておすすめの構成に変えていく。単独の放送より、もっと“見たい”編成を提案するまさにチャンネルを“キュレーション”する考え方だ。木村氏は、お客さんが手にするデバイスが増えてマルチデバイス的になっている中で、このような思いきった“おすすめ”の仕組みも検討してよいのではないか、と補足した。

■TVとゲームの連携など新たなしくみ提案も
 次に木村氏がもうひとつのアイデアを説明した。放送事業が仮に縮小傾向にあるとしても、その時々にメインとなる業種と連携することで、放送の役割を見出すことができるのではないか。そこで、「TVコードプラットフォーム」を構想。放送事業者として、番組を見たと証明するコードを発行する。例えばいま盛んであるゲーム事業者と連携し、番組を見た人にゲームで使えるアイテムなどを発行するといったやり方があるのではないか。その仕組みを通じて、チャンネル契約者を増やすことも可能かもしれない。これは実際に、ゲーム事業者とかなり具体的に議論しているそうだ。木村氏は、ゲーム事業者だけでなく、大手衣料販売店のような事業者ともポイントを付与する形で連携できるのではないかとも述べた。

■あらゆる方向で拡大策を検討
 彼らの活動の基本にあるのは、多チャンネル放送がビジネスとして成長が止まっている状況をふまえ、お客さんを増やしていく方策をあらゆる方向で検討することだという。そういうグループが多チャンネル放送界にいることを知ってもらい、もし協力してもらえるところがあればぜひ一緒に取り組ませて欲しいとメッセージし、セッションは終了した。

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