Special

2017.2.3 UP

【INTER BEE CONNECTEDセッション報告】(3)「テレビ離れが進む?若者の生態系」現役大学生たちが赤裸々に語る、若者とテレビの関係!

博報堂の若者研究所・原田曜平氏が5人の学生に次々に質問を投げかけてそれぞれが答えるというスタイル
博報堂の若者研究所・原田曜平氏が5人の学生に次々に質問を投げかけてそれぞれが答えるというスタイル
若者が、ドラマやバラエティへの関心や興味は強く持っていることがよくわかった
若者が、ドラマやバラエティへの関心や興味は強く持っていることがよくわかった

 INTER BEE CONNECTED企画セッション、初日最後は「若者の生態系」。博報堂の若者研究所・原田曜平氏のコーディネーションによる、現役大学生たちが自身のメディア生活を赤裸々に語ってもらう企画だ。「若者のテレビ離れ」と言われるが、それはどこまで進んでいるのか、具体的にはどういう状態なのかなど、あけすけに自由に話してくれた。そこから見えてくるのは、テレビが決して嫌われているわけではないが、生活スタイルと明らかにズレてきていることだった。
(コピーライター/メディアコンサルタント 境 治)

■さまざまな形でテレビを視聴
 このセッションに参加した学生は、慶応義塾大学の小野くん、前田くん、松井くん、早稲田大学の勝山くん、明治学院大学の油井さんの5名。進行はモデレーター役の原田氏が、5人の学生さんたちに次々にテレビやコンテンツに関する質問を投げかけてそれぞれが答える形だった。
 まず「テレビは見ているか」の質問には、意外にそれぞれ「見ている」という答えだった。親と同居しているので一緒に見る、一人暮らしだとさびしいので見る、というもの。ただよくよく聞くと、「何曜日に何をやっているのか知らない」「友だちから面白いと聞いてYouTubeで探して見る」といった具合に、積極的に見るとは言えないし、とにかくYouTubeで見たい部分だけを見るようだ。
 続けてTVerについて聞くと、「知らない」との答えもあったが概ね存在は知っている様子。だがこれも詳しく聞いていくと「テレビ番組にアンテナを張ってないから使わない」「YouTubeで見たいところだけ見るのでTVerは使わない」といった答えが続いた。「ベッドに入ってから2時間くらい延々とYouTubeを見る」という答えもあり、最初のセッションでの若者のメディア接触レポートを裏打ちするような形となった。

■SVODは料金がハードルに
 AbemaTVやNetflixなどの新しいサービスについては人によって非常に違いがあった。AbemaTVについて「日本シリーズをやってくれて助かった」「アニメの一挙配信で知った」「音楽ライブを生でやってたのはいい」など評価する声もある一方、「インストールだけして使ってない子も多い」との意見も出た。SVODサービスについても「海外ドラマ好きな子はNetflixを使っている」「韓国好きな子はU-NEXTで見ている」「dTVはダウンロードしておけるのでいい」など、人により使い分けているようだった。面白いのは「アカウントを仲間で共有している」人がいて、彼らにとって料金をいかに安くするかが重要だと感じさせた。

■親近感がドラマ人気の要素
 好きなドラマについて聞くと「逃げるが恥だが役に立つ」「地味にスゴイ!校閲ガール」「好きな人がいること」「勇者ヨシヒコ」など意外にひと通り名前が出てきて、それぞれ熱心に見ているようだった。若者に好まれる要素として「身近さ」が挙げられ、行ったことがある場所が登場すると見たくなるし、ドラマに出てきた場所には行ってみたくなるという。
 バラエティについては「アメトーーク」「Youは何しにニッポンへ」「水曜日のダウンタウン」などの名前が挙がった。番組でやったことを日常会話で真似するなど、それなりに生活に溶け込んでいるようだ。「予想できないことが大事」「ムダなことに全力かけてること」など、評価する要素も世代を超えて変わらないように思えた。

■"参加"を求める若者視聴者
 原田氏から、テレビ局に提言することがないか質問したところ、非常に興味深い答えが出てきた。大きくまとめると、彼らは「参加」を求めていると言えそうだ。「投票できるお笑いネタ番組がよかった」「一緒にみんなで盛り上がるとうれしい」「自分たちの意見も参考にしてくれる番組がいい」といった意見が続き、Twitterコメントが表示されるだけでもずいぶんちがうようだ。これについて原田氏は「いまの若者には自分たちがマイノリティだという意識がある」と解説した。文化のマジョリティが自分たちにないことをよく認識しており、だから自分たちはマイノリティだと感じているのだそうだ。だから例えば「アイドルの音楽番組が減って、いま何が流行っているかわからない」といった不満が出てくる。若者たちの居場所と言える番組がほとんどなくなり、盛り上がりに参加できないことが、テレビと若者との距離を遠ざけているのだろう。ドラマやバラエティへの関心や興味は強く持っていることもよくわかったので、やり方次第ではないかと感じた。テレビ局自身が若者に興味を持つことが、いちばん大切だといえそうだ。

関連URL
  • このエントリーをはてなブックマークに追加