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2018.5.22 UP

【NEWS】アストロデザイン 8K映像伝送実験に自社製変換技術を活用 現行4Kエンコーダー/デコーダーで8K映像送受信可能に SQD方式による画面ずれの課題を解消

4Kエンコーダー/デコーダーでの8K映像送受信が可能であることを実証
4Kエンコーダー/デコーダーでの8K映像送受信が可能であることを実証
「2SI分割」による信号に変換したことで、現行の4Kエンコーダー/デコーダーで圧縮/伸長しても境界線が出ない
「2SI分割」による信号に変換したことで、現行の4Kエンコーダー/デコーダーで圧縮/伸長しても境界線が出ない

 アストロデザインは5月14日、スカパーJSAT、富士通と共同で、通信衛星を使用した8K映像伝送実験を実施し、同社の8K変換技術を活用することで、現行の4Kエンコーダー/デコーダーでの8K映像送受信が可能であることを実証したと発表した。
 スカパーJSATはこれまで、8K映像の送受信には送信用(エンコーダー)、受信用(デコーダー)それぞれ4台ずつの4K H.265/HEVC符号化装置を用いていた。4台を使う場合、画像を4画面に分割して伝送するため、それぞれの画像の複雑度の違いにより、符号化の時間が変わるため、4つの画面にずれが生じ、境界線が表れてしまう現象が発生していた。

 これまでは、こうした現象を避けるためには伝送帯域を多数用意する必要があると診られていたが実用的ではなかった。また、8K専用エンコーダー/デコーダーは、数が少なく価格が高いこともあり、現行の4K技術や製品を応用する形での実現が望まれていた。
 今回の共同実験では改善策として、「2SI分割」による信号に変換したことで、現行の4Kエンコーダー/デコーダーで圧縮/伸長しても境界線を出さずに合計120Mbpsの8K映像を伝送し映し出すことに成功した。
 「2SI分割」(2SI=2Sample Interleave)とは、8K信号を伝送する際にデータを4分割して伝送路の負荷を軽減する場合の方法の一つで、画像を上下左右の4つに分割して伝送する「SQD」(SquareDivision)方式と比べ、2画素単位で細かく区切ってまとめる方法。アストロデザインが開発した、2SI分割方式のアルゴリズムを搭載したFPGAを用いることで、SQDで生じるずれを解消することができた。

 8K入出力端子のI/Fとして2SI技術を用いた例はすでにあるが、SQDから2SIへのコンバータ機能として製品に搭載するのは今回のアストロデザインが初めてとなる。
 アストロデザインはすでに8Kコンバータ製品群を商品化している。 アストロデザイン 企画部の金村達宣氏は同社の8Kコンバータの特徴を次のように話す。
 「コンバータに求められ機能は、色解像度変換、色域変換、フレームレート変換など多岐にわたる。すでに対応済みの機能から、今回のようなSQD<-2SI変換まで含めて、ひとつの製品に実装しているのが大きな特長」(金村氏)

 今回の実験の成功により、放送事業者や通信事業者がすでに所有している4Kエンコーダー/デコーダーを使用し、今までよりも容易な8K伝送が可能になることが明らかになった。また、スカパーJSATの通信衛星を利用することにより、スポーツイベントなどでの8K中継や多拠点への8Kパブリックビューイング、4面までの4Kマルチスクリーン、ドームシアターへの中継など、幅広い用途での利用が期待できる。

【実験の概要】
■実施日:2018年5月8日(火)
■目的: 2SI分割した8K映像を現行4Kエンコーダー/デコーダーで送受信すること
■送信場所: 衛星ネットワーク株式会社 戸田SNG車庫
■受信場所:アストロデザイン(株)雪谷本社
■伝送使用機材
 □映像出力:
  アストロデザイン8KSSDレコーダHR-7518
  単盤式カメラヘッドAH-4801-B
  8K対応2SIコンバータ
 □4Kエンコード/デコード:
  富士通FUJITSUNetworkリアルタイム映像伝送装置IP-HE950
 □映像表示:
  アストロデザイン8K液晶モニタDM-3815
  8KDLPプロジェクター
 □使用衛星:
  JCSAT-3A 合計120Mbpsによる伝送

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