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2017.8.7 UP

【NEWS】松竹映像センター 4K需要拡大でポストプロダクション・スタジオの4K対応を強化

新設した「Edit-1」。4Kのグレーディングにも対応
新設した「Edit-1」。4Kのグレーディングにも対応
スクリーン前には特別製のチェアが設置されている
スクリーン前には特別製のチェアが設置されている
Quantel RIO
Quantel RIO
DaVinci Resolve
DaVinci Resolve

 松竹映像センターは、同社のポストプロダクション・スタジオのリニューアルを実施し、7月から運用を開始。8月4日に内覧会を開催し、多くの業界関係者が視察に訪れた。
 4K対応の高速SAN、Quantam StorNextの「Quantum Xcellis」(140TB)を導入し、4Kカラーグレーディング対応の「Edit-1」ルーム、「Resolve」ルーム、また4Kスキャンによる修復作業のための「レストア」ルームを新設しSANシステム&10Gbps回線で接続。同システムにより、各部屋で4Kファイルを同意再生できる。また、ローカルにも32TB〜42TBのストレージが用意されており、作業の負荷や規模にあわせたワークフローを構築できる。(上写真はフィルム上映にも対応した同社1階のダビングステージ)

■120周年を記念して2015年にお台場に新設
 同社は2015年1月、松竹120周年を記念して都内3カ所(大船、高輪、築地)のポストプロダクションをお台場に統合する形で新たに開設した。今回のリニューアルは、それに続くリニューアル第二弾となる。当時導入したAVIDのISIS 5500サーバーとQuantum Xcellisを併用することで、HD制作と4K制作を負荷の偏らない形で進める環境を構築している。
 今回のリニューアルにより、これまで外部で実施していたコンフォームやグレーディングを内製化し、松竹映像センター内でポストプロ業務を一貫してできる態勢を整えた。
 施行・システムエンジニアリングは共信コミュニケーションズ、内装は日本音響エンジニアリングが担当している。

■Quantel Rio 4KとDaVinci Resolveを導入
 今回新設した「Edit-1」では、カラーグレーディング&フィニッシングシステムの「Quantel Rio 4K」を導入し、4Kにも対応したカラーグレーディングとオンライン編集に対応。「Edit-1」には、常設のディスプレーに加え、NECの4K DLPシネマプロジェクターを装備し、約4m×1.7mのスクリーンに投影しながら編集、グレーディングが可能になっている。
 同社では今回の「Edit-1」の開設にあたり、IMAGICAの全面協力を得て、五反田IMAGICA東京映像センターのグレーディングルーム「北斎」と同じ色再現ができるよう調整している。「Edit-1」でグレーディングした作品を、同じ色再現状態でIMAGICAの第一試写室で試写できる。
 「Resolve」ルームは文字通り、Black Magic Desginの編集、カラーコレクション、フィニッシングソフト「DaVinci Resolve」の専用ルーム。新製品のコンソールパネル「Mini Panel」が用意されており、KVMスイッチングによって「Edit-1」でもResolveを用いたグレーディングが可能という。

■2,000タイトル以上ある旧作映画のデジタル修復も推進
 「レストア」ルームでは、フィルムアーカイブのデジタル修復を行う。松竹には現在、2,000タイトル以上の旧作映画が保存されている。また、ドラマ同社の膨大な映画フィルムアーカイブをデジタル・リマスター化する事業は、これまで外部のラボに委託してきたが、今回の「レストア」ルーム開設により、デジタル化以降は自社内で一貫してフィルムの修復、アーカイブ化が可能になる。
 「レストア」ルームには、Digital Vision社のデジタルマスタリング&リストレーションシステム「Phonix」とThe Pixel Farm社のフィルム自動修復ツール「PF Clean」を導入している。
 デジタル・リマスターされた作品は順次デジタル・アーカイブとして保存が進められており、プロキシ映像を用いることで、松竹本社からも検索、閲覧できる。作品ごとに手作業でメタデータが埋め込まれており、役者、撮影場所から「スイカ」などの一般名詞から関連するシーンの頭出しをすることもできるという。現在、70タイトルほどがアーカイブされており、順次アーカイブを進めていくという。

 なお、今回は小規模なリニューアルであったが、同社1階のダビングステージでは、顧客の要望に対応してコンソールユニットを増設したほか、併設するADRスタジオにMA機能を追加している。ダビングステージは今後、第三次のリニューアルでさらに大規模な改修をする計画という。

■久野社長「4K対応を強化。人材補強・育成にも注力」 
 今回のリニューアルのねらいについて、松竹映像センター 代表取締役社長の久野達士氏は次のように話す。
 「2014年のお台場オープン以来、テレビドラマ、映像配信などの拡大で4K映像への需要は拡大の一途をたどっている。今回はそうした4K需要への対応とともに、松竹の資産である旧作のデジタル・アーカイブ化の社内態勢を構築することが大きなねらい。機材の拡張とともに、人材も強化しており、この1年で新人も含めて15人が新たに加わり、現在は70人態勢となっている。高解像度化、高精細化が進む中で、経験豊富で感性の豊かな人材を集めるとともに、教育にも力を注いでいきたい」

編集:Inter BEE 2017 ニュースセンター

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