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2017.3.21 UP

【INTER BEE IGNITIONセッション報告(2)】ライブエンターテインメントの最前線で活躍する3氏を迎え、ライブエンターテインメントの未来を探る 

エンターテインメントの最前線でVRによる演出を試みる3氏が登壇し、熱い議論となった
エンターテインメントの最前線でVRによる演出を試みる3氏が登壇し、熱い議論となった
(左から)市來氏、山田氏、鈴木氏、依田氏
(左から)市來氏、山田氏、鈴木氏、依田氏

 2016年11月18日から20日までの3日間開催したInter BEE 2016の新企画、INTER BEE IGNITION。2日目の夕方に開催したセッションでは、SENSORS.jpの副編集である市來孝人氏をモデレータに、ライブエンターテインメントセッションと題し「音楽の新たな楽しみ方 – ライブエンターテインメントの未来」を、現在の傾向、課題、将来性といった切り口で掘り下げた。登壇したのは、映像作家・映画監督の山田智和氏、ParadeAll株式会社代表取締役、エンターテック・アクセラレーターの鈴木貴歩氏、そして日本テレビ放送網株式会社、事業局事業推進部(兼)社長室企画部の依田謙一氏の三人だ。

◼現実とバーチャルが溶け合う感覚
 2015年にサカナクションの武道館ライブのDVD監督をした山田氏。︎ライブを一つの映像作品として制作し、宣伝映像は日常の風景に宣伝がいつの間にか交じり合っているというアプローチを展開した。また、水曜日のカンパネラのライブ演出でも、MVに出てくる演出をライブでも行い、バーチャル世界を現実の体験として落とし込むよう仕掛けた。
 「現実と非現実の境界線がどんどんなくなっていると思います。それは、みんながもうバーチャルをバーチャルと捉えてないところに起因している。だから、MVだけで消化する時代は終わって、MVの監督が空間を作っていく流れになっていると思います」(山田氏)。
 一方、国民的ゲーム「ドラゴンクエスト」のバーチャル世界を、30周年という節目で、実際のショーとしてアリーナクラスで演出を行った依田氏は、その規模感でどう具現化したのかを打開策と課題を交えて語った。すべて、キーパーソンとなるスペシャリストが関与しているのだが、30億円という規模で、日本初のオリジナルショーは様々な問題点も浮き彫りにした。
 「ライブエンターテインメントが広がってると言われているわりに、機材が足りないんですよ。価格、制作会社も含めてもっと選択肢があると良いですよね。」(依田氏)

◼産業の発展に繋がるライブエンターテインメントとは
 レコード会社や音楽放送局にいた経験から、海外とのライブエンターテインメント市場の違いを見つめてきた鈴木氏。
 今、着目しているのは、常設型ライブエンターテインメント。アーティストが一つの場所にとどまり、パフォーマンスをしていく方法で、利点はステージの作りこみと費用対効果にある。
 「日本の音楽系アーティストって、全国ツアーやドームツアーがある種のステータスになっていますが、こういった常設型の演出に凝ることで一つブレイクスルーがあると思います。ジャパンカルチャーを発信して、それをマネタイズすることは、新しい演出だけではなく、安定的な雇用も生み出し、産業の発展に繋がるんですよね。」(鈴木氏)

【INTER BEE IGNITION】
 VR、ARや360度映像、ホログラム映像、プロジェクションマッピングから、4K/8Kパブリックビューイング、ライブビューイングなどのライブエンターテインメントに至るまでの最新映像技術が集結したイベントINTER BEE IGNITION。展示会場内に特設エリアを設け、各分野で活躍するゲストを招いたセッションとともに、関連企業からの出展ブースを設けた。VRコンテンツの制作会社や機材などが出展されたほか、NHK放送技術研究所によるAR技術を用いた未来のテレビ番組の出展などもあり、多くの来場者が訪れた。
 今年、11月15日(水)から17日(金)までの3日間、幕張メッセで開催するInter BEE 2017でも開催する。

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