【News】アカマイ 拡大する世界のビデオ配信へ対応 2020年には映像の配信規模が1000Tbpsに  「2015年には4Kのトライアルを開始」

2014.11.5 UP

ピル・ウィートン氏

ピル・ウィートン氏

FIFA World Cup2014での実績

FIFA World Cup2014での実績

ユーザーはテレビと同じライブ放送品質に期待

ユーザーはテレビと同じライブ放送品質に期待

Akamai Next Generation CDN

Akamai Next Generation CDN

 アカマイ・テクノローズは10月24日、都内にプライベートカンファレンス「Akamai Digital Media Conference 2014」を開催した。デジタル・メディアおよびインターネット関連企業の経営企画部門、事業部門、情報システム部門の責任者を対象にしたもの。

■ グローバルにスケーラブルなプラットフォームを提供
 基調講演に登壇したアカマイ米国本社メディア製品担当シニア・パイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのピル・ウィ一トン氏は「Akamai Platform: Scaling to new heights」と題して、アカマイにおけるビデオ配信のトレンドと配信規模、次世代ネットワークについて講演した。
 ウィ一トン氏は冒頭アカマイのビジョンについて、「クライアントに対してグローバルに非常にスケーラブルなプラットフォームを提供することを目指している。これが一番重要なミッションになる」と述べ、「アジアを含め世界中で配信できるようにすることで、非常に高度でスケーラブルなグローバルプラットフォームを持つことによって、エンドユーザのニーズを満たすことが目標」と語った。

■ 2020年にはビデオ配信規模が1000Tbpsを超えると予想
 近年のビデオ配信は、視聴者数が大きく伸び、品質、ビットレート、エクスペリエンスもテレビ並みに高まってきている。アカマイは毎日、8万のライブストリームを配信しており、この量も増えてきているという。
 ウィ一トン氏は1999年から現在までの帯域の増加について、「1999年のビデオ配信ではピークで1Gbpsだったが、毎年81%の割合で増えており、2014年のワールドカップにおいては、ピークが7Tbps、2010年のワールドカップより8倍トラフィックが増え、ソチ冬季オリンピックより2.7倍に上がった」と説明した。
 また、毎年のビデオ配信規模も増えており、2006年には1Tbpsだったが3年で2.5倍の2.5Tbps、6年で10倍の10Tbps。現在は20Tbpsで2015年には50Tbps、2020年には1000Tbpsを超えると予想している。
 さらに平均ビットレートについても、2001年時点のQVGA/500kbpsから、2010年時点で720p/3.5Mbps、2011年時点でフルHD/7.5Mbpsまで規模が大きくなっている。また4Kコンテンツの需要も立ち上がり始めていることから、「2015年には4Kのトライアルを開始する予定(同氏)」と説明した。

■ ユーザーはテレビ品質と同様な配信品質を求めている
 ビデオ配信におけるユーザー体験の期待値についてウィートン氏は「テレビ品質と同様な配信品質を求めている」と述べ、2014年のワールドカップでは、EPSNが提供した「ドイツ対ポルトガル」戦で平均48分の視聴があり、エンゲージメントレベルが非常に高かったという。「もし、再生開始が遅く、ブロックノイズやバッファリングが起こってしまった場合、50%の人がすぐに観るのをやめてしまう。例えば、開始が5秒なら25%、10秒なら50%の人が観るのをやめてしまう」と説明した。
 このように、ユーザーはインターネットによるビデオ配信において、すでにテレビ品質と同様な配信品質を求めていることから、今後の目標として「99.5%までバッファリングをなしにストリーミングを行っていくこと」を挙げた。

■ 来年初旬に"Media Client Technology SDK"をリリース予定
 ウィートン氏は、今後のビデオ配信への対応に必要なシステムの規模予測について、次のような数字を示した。
 「2020年には、同時に5億人がインターネットでビデオを観ているとした場合、平均3Mbpsのコンテンツを視聴していると考えると、1,500Tbpsになる。現在の容量が20Tbpsとすると、1.3%しかなく、今後2〜3年で50倍に増やさないとまかなえないことになる」
 アカマイはこうした今後のビデオ配信規模の爆発的な拡大に対応するため、次世代のCDNの導入を進めるという。新たなCDNは、"Akamai Media Client Technology"と呼ぶ。このCDNには、① UDP配信、② マルチキャスト配信、③ インテリジェントなコンテンツの再配置、④ ピア・アシスタントデリバリー、の4つの技術が組み合わされている。
 ウィートン氏はマルチキャスト配信について「インターネット上で実現することは非常にチャレンジングなこと。すぐにはできないと思うが、ネットワークオペレータとの長期的な視野を持ったパートナーシップによりマルチキャスト配信を実現していく」と話す。また、インテリジェントなコンテンツの再配置については「コンテンツのプッシュ配信をクライアント側に再配置する。ネットワークが比較的空いている時間に、コンテンツを端末側にプッシュすることで、デバイス側でのコンテンツ管理を容易にすることができる」という。
 そして、ピアアシスタントデリバリーについては「家庭内ホームネットワーク上につながっているデバイス間ではP2Pでのコンテンツ配信をアシスタントするもになる」と説明した。
 なお、アカマイでは、これらの技術を提供するために"Media Client Technology SDK"を準備しており、「2014年夏にClient Deployed Applicationに対応したβ版をリリースした。来年初頭にはiOS、Android、Mac OS、Windows、Linuxで利用できるようになる予定」と説明した。
 ウィ一トン氏は最後に「コンテンツをクラウドの環境からも、またクラウドの環境においても扱い、いつでもどこでも一番高いクオリティで配信していくことに邁進していく」と抱負を語った。

ピル・ウィートン氏

ピル・ウィートン氏

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ユーザーはテレビと同じライブ放送品質に期待

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