【Pre Inter BEE 2013】EMCアイシロン NASの大幅な効率化を実現しデータ量の増大に対応する独自技術「スケールアウトNAS」製品を展示 急成長のアイシロン、年間収益約10億ドルへ

2013.10.31 UP

米EMC アイシロン事業部 マーケティング・製品管理担当VPのサム・グロコット氏
米EMC アイシロン事業部 マーケティング・製品管理担当VPのサム・グロコット氏

米EMC アイシロン事業部 マーケティング・製品管理担当VPのサム・グロコット氏

ハイパフォーマンス向けのアクセラレータ・ノード「A100」

ハイパフォーマンス向けのアクセラレータ・ノード「A100」

 ストレージベンダーのEMCジャパン株式会社は、11月13日から15日まで千葉・幕張メッセで開催するInterBEE 2013に出展し(映像・放送関連機材部門 / ホール7 /7308)、同社の新製品「EMCアイシロン スケールアウトNAS」関連の新製品各種を出展する(NASはNetwork Attached Storageの略)。
 「スケールアウトNAS」は、 NASコントローラーとディスクが一体化し、ノードごとに単一ファイルシステムで動作するのが特徴だ。これにより、増大し続ける容量に対応して、煩雑な手続きを必要としないでNASの容量を拡大でき、さらに利用効率を低下させずにシンプルなコントロールでデータの保存・管理ができる。この場合のノードとは、ディスクアレイ装置にCPU、ネットワーク、ディスク等のハードとファイルシステム等のソフトが搭載された単位を指す。コントローラーとディスクが一体化した構造といえる。
 米国では、 メジャーリーグベースボール(MLB)の映像をウェブ配信する「MLBアドバンストメディア」(MLBAM)が導入し、著しく効率を向上している。
 米EMCのアイシロン事業部で、マーケティングと製品管理を担当するバイスプレジデント、サム・グロコット氏に、MLBAMへの導入の状況や、映像業界におけるスケールアウトNAS導入のメリットについて聞いた。

■NASの課題を解決する「スケールアウトNAS」
 映像やメールなど、いわゆる「非構造化データ」あるいは「コンテンツデポ」と言われるデータの容量が、世界的に拡大傾向にある。
 企業が扱う、データベースや、ERP(Enterprise Resource Planning)、SCM(Supply Chain Management)、CRM(Customer Relationship Management)などの「構造化データ」は通常データセンターで生成・格納されるが、非構造化データは、NAS(Network Attached Storage)やファイルサーバに格納されて利用される。この非構造化データの容量は、企業においても年々倍増しており、その保存・管理が煩雑化しているのが現状だ。
 NASは2000年当初、ネットワーク上で容易に設定・管理ができる製品として普及してきたが、ここにきて当初の容量の想定を超えるデータ量の扱いが必要となり、利用効率の改善が課題となっている。
 そうした中、EMCアイシロンは拡張性が高く、しかも操作がシンプルで安全な「スケールアウトNAS」を提唱し、積極的に市場を拡大している。たとえば、数テラバイトごとにボリュームを切り出したり、再設定を行うといった煩雑さをなくし、複数台のディスクアレイを単一のボリュームとして扱うことが可能になっており、加えて効率性、信頼性などを兼ね備えている。

■スケールアウトNASで急成長を続けるEMCアイシロン 年間収益10億ドルへ
 米EMCのアイシロン事業部で、マーケティングと製品管理を担当するバイスプレジデント、サム・グロコット氏によれば、アイシロンの12年度第4四半期は年間収益約10億ドルに達する勢いで、買収当時からビジネスが約5倍に伸張したという。アジア市場では過去7年展開しており、日本でも同期間、販売活動している。
 同氏は日本市場について「設備のコスト削減への要望が高く、アイシロンのスケールアウトNASはこれに応えられる」と話す。
 スケールアウトNASが提唱されたのは、アイシロンがEMCに買収される前の2001年。当初からアイシロンはNASの限界を見抜いていたといえる。アイシロンはその後、2010年にEMCに買収され、「スケールアウトNAS」の拡張性が高く評価され、上記のように実績を拡大している。
 「従来型のストレージでは多くのボリュームを管理する必要があり、ストレージシステムの使用率が平均で50%程度まで下がる。アイシロンは大きなシングルプールで運用することで負荷分散し、またディスクの消費率を平準化することで、80%を超えた使用率を実現。管理にかかる時間も削減できる」

■MLBの映像配信会社MLBAM、12時間で60試合をライブストリーミング
 EMCアイシロンは今回、Inter BEEへ出展し、スケールアウトNAS関連の新製品をデモする。最新のスケールアウトNAS製品が、制作現場におけるデータサイズ増大を解決するソリューションであることをアピールする。
 テレビ番組のチャンネル数増加や、モバイルメディア等によるネット映像の視聴拡大、さらには、4K/8Kといった映像の高精細化が進む中で、制作現場における映像データ量も増大しつつある。そうした中で、スケールアウトNASは着実に実績を伸ばしている。
 メジャーリーグベースボール(MLB)の映像をウェブ配信する「MLBアドバンストメディア」(MLBAM)に製品を納入した。
 MLBAMはシーズン中、7-12時間で約60の試合をライブストリーミング配信する。1試合のデータは8-9テラバイトに上るうえ、多数の視聴者からの同時アクセスをさばく必要があった。同社は、このスケールアウトNAS対応の「アイシロン スケールアウト プラットフォームノード」のシリーズのうち、IOPS(I/O per Second)性能の高い「Sシリーズ」や、大量のデータを扱える「Xシリーズ」などを導入した。Eコマースやバックオフィス用のツールと統合する製品も導入しエンドトゥエンドで対応する。現在の総容量は1.5ペタバイトになるという。
 アイシロン製品の導入により、MLBAMのシステムはパフォーマンスが50%向上すると同時に、ダウンタイムが95%減少。1週間に10時間要していた管理時間も2時間に減らすことができたという。
 EMCアイシロンは、年内に、スケールアウトNASのOSである「OneFS」の新バージョンをリリースする。新機能として重複排除が搭載されるほか、特に金融などの分野で必要とされる監査報告書の作成に役立つセキュリティー監査機能も向上。サービス契約を結んでいるユーザーは無償アップグレードできるという。
 グロコット氏は、「この7年間、日本の市場で非常に成功してきた。今後も投資を続けて日本の顧客の要件に対応したい」と意欲を示す。

 今回のInter BEEでは、詳細な製品概要が紹介される。また、ハイパフォーマンス向けのアクセラレータ・ノード「A100」の展示やデモンストレーションが披露される。
(EMCアイシロンブース/ホール7/7308)


【EMCジャパン株式会社】
本社住所:〒151-0053 東京都渋谷区代々木2丁目1番1号 新宿マインズタワー
URL:http://japan.emc.com/isilon
Inter BEE 2013 ブース:映像・放送関連機材部門 / ホール7 / 7308

米EMC アイシロン事業部 マーケティング・製品管理担当VPのサム・グロコット氏

米EMC アイシロン事業部 マーケティング・製品管理担当VPのサム・グロコット氏

ハイパフォーマンス向けのアクセラレータ・ノード「A100」

ハイパフォーマンス向けのアクセラレータ・ノード「A100」

#interbee2019

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