【Inter BEE 2014】カリーナシステム ソフトウェアベースの4K/HEVCエンコードシステム、暗闇でもカラー撮影が可能な超高感度フルHDビデオカメラなどを出展

2014.11.14 UP

「Cambria FTC」の操作画面イメージ

「Cambria FTC」の操作画面イメージ

「Cambria Live」の操作画面イメージ

「Cambria Live」の操作画面イメージ

超高感度HDビデオカメラシステム「SSC-9600」

超高感度HDビデオカメラシステム「SSC-9600」

 カリーナシステムは、11月19日(水)から21日(金)まで、千葉・幕張メッセで開催するInter BEE 2014に出展する。ブース(ブース番号:5406)では、次世代に向けた映像配信サービスを見据え、4K映像の作成を支援する製品群を中心に展示する。製品単体の展示にとどまらず、既に実用段階を迎えつつある現状を踏まえ、4K対応ワークフローを実現するソリューションを提案したい考えだ。(上記画像は、ブースに設置する簡易暗室の内観。幕を下ろせば、0.05lxの暗室になる。「SSC-9600」で撮影した0.05lxの暗室内の様子。左手前は、明るいカラー映像で映し出した画像)

■ソフトウェアベースの4K/HEVCエンコードシステム
 HEVC(H.265)エンコードに対応した「Cambria FTC」の最新バージョンを初出展する。4Kコンテンツ配信のニーズに応えたSONY XAVC、DPX入力、HEVC(H.265)出力に対応したほか、Smooth Streaming、MPEG DASH出力にいち早く対応し、既に稼働実績もある。

■毎日放送が導入したインターネット動画配信ワークフローを紹介し、実績をアピール
 このソリューションは既に毎日放送が導入し「インターネット向けニュース動画配信の自動化ワークフロー」と「VOD向け映像の編集および変換システム」を実現・稼働している。
 ニュース動画配信の自動化ワークフローは、ニュース放送のSDI信号をネットワークエンコーダ「MEDIASYNERGY NEX」とスケジュール録画ソフト「Sylphid Scheduler」を利用して自動収録する。素材を収録しながら「ClipCutter」でカット編集し、ファイルコンバータ「Cambria FTC」に編集ジョブを渡し、エンコード処理を行う。カット編集されたニュース映像はFTPされ、自社のホームページ上のニュース記事とリンクされる仕組みだ。
 収録環境はWeb画面でのスケジュール録画設定に加え、突発的な番組でもエンコーダ前面のタッチパネルで映像を確認しながら簡単にマニュアル操作で録画が行える。
 一方のVOD向け映像の編集および変換システムは、毎日放送がホームページで公開する春の選抜高等学校野球大会におけるVOD配信の即応性を高めるために開発した。インターネット番組配信システム「Cambria Live」を中心としたライブ配信・時差編集システムで構成されている。これにより、ライブ配信とほぼ同時に得点ハイライト映像などをVODで視聴できるようになった。
 具体的にはHD-SDIから入力した試合映像は「Cambria Live」でH.264形式にエンコードを行い、インターネットライブ配信を行うと同時に、同じ映像がNASに保存され、時差編集ソフトウェア「ClipCutter」で収録直後から即座に編集することを可能にした。編集後の映像は「Cambria FTC」によってVOD向けの映像制作変換とアップロードが自動で行われる。時差編集のメリットを活かし、試合の最中でもVOD用の得点映像やイニング映像を随時更新できる。
 ブースではこのソリューションを構成する実機を展示し、実際の操作性などを体感できる。展示する主な製品概要は以下の通り。
・「Cambria FTC」
 HEVC(H.265)エンコードに対応した、4K映像の作成に最適なファイルコンバートソフトウェア。ビデオ圧縮フォーマットの変換だけでなく、解像度やフレームレートの変換、ロゴ挿入や音声レベル調整なども可能だ。
・「Cambria Live」
 放送局/ケーブルテレビ局向けのインターネット番組配信システム。HD/SD-SDI、HDMIからの入力をH.264形式にダイレクトに変換する。カット編集ソフト「Clip Cutter」との連携により、収録済みの部分からカット編集を開始する時差編集も可能だ。そのほか、一人のオペレーションで運用可能なオールインワン・ライブ配信システム「Cambria Live Studio」、放送局向けインターネット番組配信システム「Cambria Live Broadcast」なども出展する。
・「Cambria Cluster」
 管理ソフトウェア「Cambria Cluster Manager」で複数のエンコードジョブをネットワーク上の複数台のCambria FTCに割り当て、自動並列処理することができる管理システム。
・「MEDIASYNERGY NEX」
 複数入力、マルチインターフェース、スキャンコンバート機能、3D出力などに対応したネットワークエンコーダ。HD/SD-SDI、DVI-D、S、コンポジット、RGB入力端子を実装し、H.264のマルチエンコードに対応する。USBハードディスクやBlu-rayドライブ、NASを接続することで、単体での記録運用も可能だ。
・「ClipCutter」
 回線やVTRから素材をサーバーに取り込みながら、即座に編集が開始できる時差編集ソフトウェア。時間を浪費することなくダイジェスト映像の制作が行えるので、即時性が求められるスポーツ中継やインターネット配信などの制作システムに最適だ。

■被写体照度0.005lxの低照度環境でカラー撮影を実現する「SSC-9600」
 これらに加え、ブースでは新製品の超高感度フルHDビデオカメラ「SSC-9600」も出展する。
 SSC-9600はフルHD 1080/30pのカラーセンサーを採用し、独自開発の3次元ノイズリダクション機能を搭載したボックス型の超高感度ビデオカメラ。被写体照度0.005lxの低照度環境下でも動画の撮影が可能だ。第3世代のナイトビジョンカメラより高性能で、肉眼では見えない暗闇の中でも、被写体を昼間のように鮮明に、しかもカラーで撮影できる。光量変化に自動で対応するため、明るい場所の撮影も可能。昼夜を問わず利用できる。湾岸監視に適した霧除去機能も搭載する。
 定点観測に適しているため、国内ではダムの監視や湾岸での津波監視、空港・発電所などの監視用として使われているという。同社ではドキュメンタリー撮影などの用途も提案している。価格は120万円(税別)。
 ブースではデモ用に簡易暗室を設置。肉眼でははっきり識別できない暗室内の様子をモニターに映し出し、SSC-9600の性能を体感できる。
 ブースでは技術協力を行った駒村商会の「KC-2000」も展示する。これは防滴・防塵設計の、軽量コンパクトハンディタイプ。海外の軍や警察関係で多数の導入実績があるという。

【カリーナシステム】
兵庫県神戸市中央区琴ノ緒町2-2-11
URL:http://www.carinasystem.co.jp/
Inter BEE ブース:映像・放送関連機材部門 /ホール5 /5406

「Cambria FTC」の操作画面イメージ

「Cambria FTC」の操作画面イメージ

「Cambria Live」の操作画面イメージ

「Cambria Live」の操作画面イメージ

超高感度HDビデオカメラシステム「SSC-9600」

超高感度HDビデオカメラシステム「SSC-9600」

#interbee2019

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