【Inter BEE 2014】NEC 次世代放送局向け各種放送ソリューション紹介 超高感度カラーカメラの新製品「NC-H1200P」や2K HEVCコーデック「VC/VD-800」(参考出展)など展示

2014.11.15 UP

4K対応HEVCハードウェアコーテック「VC-8150」

4K対応HEVCハードウェアコーテック「VC-8150」

デジタル音声調整卓

デジタル音声調整卓

 NEC(本社:東京都港区)は、2014年11月19日(水)から21日(金)の3日間、幕張メッセにて開催するInterBEE 2014に出展する(ブース番号:2308)。今年は「Orchestrating a brighter world」をテーマに、情報系システム・送出システム・ファイルベースシステムを中心に、次世代放送局社をイメージした様々な放送ソリューションを展示紹介する。

■ NECはInterBEEと共に50回目を迎える
 InterBEEは今年で50年目を迎えるが、NECもInterBEEが開催されてからの50年間全てに唯一参加している企業だ。NEC放送・メディア事業部長の相川正美氏は50周年を迎えるInterBEEについて、次のようにコメントした。「このたびは50回の出展に対してInterBEEから表彰をいただき、大変光栄に存じます。今後も、放送局の情報系設備である営業放送システム、マスタ設備、ビデオサーバシステムなど、放送局トータルでの先進的なソリューションを提供してまいります」。

■ 「Orchestrating a brighter world」をテーマにマスターシステム、統合バンクシステム、営放システムの統合による業務効率の改善とシステムのサイズダウン化を提案
 今年のテーマである「Orchestrating a brighter world」は、NECが2015年中期経営計画のもと注力している「社会ソリューション事業」の世界に向けた事業ブランドメッセージ。メインステージでは、「先進のICT技術・サービス・長年培った知見を融合して、世界の人々との協奏・共創を通して社会課題を解決し、より明るく豊かに生きていくための安全・安心・効率・公平な明るい未来を作っていくことを目指しており、メインステージでは、地方局における地上デジタル放送の基幹システムの更新タイミングに向けたマスターシステム、統合バンクシステム、営放システムの統合による業務効率の改善とシステムのサイズダウン化を提案する」と放送・メディア事業部長代理の大西正隆氏は説明した。

■ 新商品のデュアルバンド対応FPU装置「TVL-D003」を出展
 昨年参考出展した1.2GHz/2.3GHz帯デュアルバンド対応FPU装置「TVL-D003」(=上写真)を出展する。
 伝送方式はOFDM、変調方式はBPSK/QPSK/16QAM/32QAM/64QAM/DBPSK/DQPSK、出力電力は0.5W(外部パワーアンプ使用時は25W(1.2GHz)、40W(2.3GHz))。映像フォーマットはHD/SD、映像符号化はH.264とMPEG2で共用可能だ。また、音声インターフェースは、アナログ4chとエンベデッド8chを搭載する。

■ 2K HEVCコーデック装置「VC-800/VD-800」を参考出展
 NECが今年の2月に発表し、次世代放送フォーラムが実施している4K試験放送「Channel 4K」で使用されている4K/60p対応HEVCコーデック「VC-8150/VD-8100」を出展するほか、現在開発中の2K HEVCコーデック装置「VC-800/VD-800」も参考出展する予定だ。

■ 機動性を高めた超高感度簡易ポータブルカメラ「NC-H1200P」を出展
 高感度カメラで実績の高いNECは、今回のInterBEEにて超高感度カラーカメラの「NC-H1200」シリーズの新製品となる「NC-H1200P」を出展する。この「NC-H1200P」は、「可視光領域に加えて、近赤外波長帯領域の光も撮影し、感度を高める「IR-PASS機能」を搭載したモデル「NC-H1200iR」をベースに、バッテリでの運用とビューファインダー、ハンディリモコンを装着することで、機動性を高めたポータブルカメラ」と放送・メディア事業部エグゼクティブディレクター土屋充央氏は説明した。

■ デジタル音声調整卓を国内初出展
 オーディオ関連では、デジタル音声調整卓を初出展する。デジタル音声調整卓について土屋充央氏は「送出システムの信頼性をベースに生放送のスタジオをターゲットとしたデジタル音声調整卓として開発している」と語った。デジタル音声調整卓の特徴は、業界初のデュアルデュープレックス(プロセスおよび棚板の完全2重化)構成が可能で、音声卓の制御を分散化構成とする事で信頼性を向上させた。
 また、ネットワークオーディオ技術による仮想MTXによる素材選択や生放送に適した操作性と視認性を実現しているという。なお、デジタル音声調整卓は既に発売済みで、「NA-1000は昨年納入済み、NA-2000は本年ご契約し現在製造中で2015年納入予定」と述べた。

■ 4K対応伝送装置や4K対応ルーティングスイッチャを出展
 4K対応伝送装置として、同社MF800シリーズに新しく2K/4K/8Kに対応した光送信ユニットを搭載した「2K/4K/8K光波長多重伝送システム」を出展する。本光波長多重伝送システムは、最大16波長のCWDMに対応し、光ファイバ1本で16chの3G-SDI信号が伝送可能で、4Kを4素材、あるいは8Kを1素材伝送が可能だ。また、波長をアサインすることにより、「アナログ映像、イーサネット(GbE)、接点情報などを組み合わせた伝送システムの構築が可能」と土屋充央氏は説明した。
 さらに、中規模ルーティングスイッチャも3GbpsSDIで4K対応にバージョンアップした「HSMX-5000」を出展する。この「HSMX-5000」は、HDTV/SDTV/TSの各ビットレートに対応するほか、3GbpsSDI×4本で4K伝送に対応する。なお、本ルーティングスイッチャは8Kのデュアルグリーン方式を考慮した設計となっており、8Kにも対応可能という。

■ 4K放送システムに対応するカラリメトリ(色空間)コンバータ「VSP-X1000 CC」を出展
 このカラリメトリ(色空間)コンバータ「VSP-X1000 CC」は、HDTV用の色域規格「BT.709(ITU-R Recommendation BT.709(Rec.709))」からスーパーハイビジョン(Ultra HD(4K/8K))の色域規格「BT.2020」に変換するコンバータだ。なお本装置にて相互変換が可能と言う。土屋充央氏は「これまで販売されてきた4K対応機器は、HDTVで使われてきた「BT.709(Rec.709)」で開発された物が多く、「BT.2020」に対応した機器と混在すると色が変わってしまう。一方Ultra HD(4K/8K)の放送規格では「Rec.2020」に統一されたため、規格と現実のギャップを埋めるためにこの変換装置を開発した」と説明した。

 この他、NECでは新製品としてFM送出機であるFMデジタルエキサイタを出展するほか、遠隔地から操作が可能なFMリモコンを参考出展、また新技術として放送事業者向けソーシャルメディア分析サービスを展示す予定だ。

■ 主な出展機器
上記を含む主な出展内容は以下の通り

・次世代マスターシステム
・ファイルベースシステム
・次世代営報システム
・アーカイブシステム
・プロダクションスイッチャ
・超高感度カメラ「NC-H1200P」(新製品)
・1.2GHz/2.3GHz帯デュアルバンド対応FPU「TVL-D003」(新製品)
・4K HEVCコーデック「VC-8150/VD-8100」
・2K HEVCコーデック「VC-800/VD-800」(参考出展)
・4K対応マルチビューア
・4K/8K対応カラリメトリ(色空間)コンバータ「VSP-X1000 CC」(新製品)
・2K/4K/8K光波長多重伝送システム
・4K対応ルーティングスイッチャ「HSMX-5000」
・デジタル音声調整卓(国内初出展)
・ラジオマスター
・FMデジタルエキサイタ(新製品)/FMリモコン(参考出展)
・放送事業者向けソーシャルメディア分析サービス(新技術)

【NEC】
本社住所:〒108-8001 東京都港区芝5-7-1 NEC本社ビル
URL:http://www.nec.co.jp/bv/hoso/
映像・放送関連機材部門 /ホール2/2308

4K対応HEVCハードウェアコーテック「VC-8150」

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#interbee2019

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