InterBEE REVIEW2016
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103 デジタルサイネージコンソーシアムにより、前日の夜、同会場内で開催されたイベント「INTER BEE IGNITION NITGHT」について、関係者から内容やねらいについて説明した。 登壇したのは、スカパー JSAT 経営管理部門経営戦略本部新規事業推進部 マネージャー橋本 英樹氏と、デジタルサイネージコンソーシアム(DSC)理事の 引場 純一氏。橋本氏は、前日の「INTER BEE IGNITION NITGHT」でも司会進行を務めた。■拡大するライブエンターテインメント市場 橋本氏は、冒頭、ライブや舞台の市場が大幅に伸びており、2015年度には、5,119億円、対前年比20.2%増で4年連続の続伸という調査データを紹介。 橋本氏は、ライブエンターテインメント市場が伸びている理由の一つとして4年後に迫ったオリンピックへ向けて、総務省のワーキンググループが社会全体のICT化のアクションプランや、戦略特区構想などを進めている点を挙げた。 スカパーJSATは、映像配信高度化機構にも登録しており、映像配信高度化機構と、DSCとが連携をしながら、映像配信、高精細な映像の活用を進めているという。 「INTER BEE IGNITION NITGHT」では、人気アイドル5人グループのSTARMARIEによるパフォーマンスを通じて、ライブ映像配信の新たな可能性についての検証を進めた。 ホール7で実施したパフォーマンスを、撮影し、非圧縮4K映像としてホール4に設置したパナソニック製の1万ルーメンのプロジェクターで投影。ホール4の会場には、200名を超える来場者が集まりライブセッションを楽しんだ。■仮説に沿った演出を検証 「INTER BEE IGNITION」では、「ライブエンターテインメントの新しいリアル」とし、仮説をもとに映像を投影するステージ側に演出を加えながらライブパフォーマンスを中継した。仮説とは、「固定カメラのほうがリアルじゃないか」「 スクリーン側に空間演出をすれば、新しいリアル感が出せるんじゃないか」「 観客とのコミュニケーションが大事なんじゃないか」の3つ。 最初の「固定カメラのほうがリアルじゃないか」という仮説について、橋本氏は、高解像度で臨場感があって没入感があることをどう生11月18日(金) 11:00-12:00「ライブエンターテインメントセッション」かすかに注目したと説明。ライブでは4分間のパフォーマンスで、前半でクローズアップなど4台のカメラの映像を切り分けた映像を配信し、後半は中央の固定カメラ1台のみの映像を配信した。 また、2つめの仮説「スクリーン側に空間演出をすれば、新しいリアル感が出せるんじゃないか」では、ライブステージでの照明と同じ照明をプロジェクター周辺でも使用し、動きや色合いなど同じ雰囲気をつくり出した。 3つめの「観客とのコミュニケーションが大事なんじゃないか」という仮説については、会場側でもカメラを設置し、双方向でファンとのやりとりをしたほか、5人のうち2人が会場に移動し、スクリーンの前で、スクリーン上に映る3人とシンクロする形でパフォーマンスを披露した。 引場氏は、 橋本氏からの説明を引きついで「仮説ということで、すべてがうまくいったわけではないが、目指している方向、少しでもわかっていただけたのではないか」と感想を述べた。■大画面、高解像度の映像を生かす演出技法の開発を その後、前日にスクリーンの前でパフォーマンスをしたSTARAMARIEの木下 望、高森 紫乃の2名が登壇し、会場の雰囲気などパフォーマンスをした立場からの感想を述べた。 映像を通して、実際にコミュニケーションをすることで、レスポンスが楽しくなり、士気を盛り上げる、といった意見や、メンバー間のパフォーマンスについて、2つのステージに分かれたことで、フォーメーションを一致させるのが難しかったという意見などがあった。 橋本氏は最後に、3つの仮説については、今後も課題を超えていく必要があると述べた。また、引場氏は、特に1つめの仮説「固定カメラのほうがリアルじゃないか」について、「茶の間で見ている場合と比べて、大画面、高解像度に適した見せ方を考えるとともに、もっと積極的に多くの人に体験してもらい、その意見をフィードバックしていく必要がある。技術とともに制作側も含め、周辺産業全体で、市場を創造していくことが重要」と指摘した。

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