InterBEE REVIEW2016
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 8月に開始したNHKの8K試験放送に続き、10月には、スカパーJSATが4K HDR放送を開始、また、Inter BEE 開催翌月の12月には、民放によるBS 4K放送が始まる。Inter BEE 2016はそうした4K・8Kへの機運が高まる中での開催となった。4K・8K放送は、世界が注目する日本の先進技術であり、基調講演など関連コンファレンスも連日多くの人が詰めかけ、関心の高さを伺わせた。 国内外の放送関係者が注目した初日の基調講演「4K・8Kロードマップ進捗と展望」では、総務省の吉田大臣官房審議官が2020年に向けた国の放送政策の動向と展望について講演し、前述のように2020年において全世帯の半数が4K・8Kを視聴できるようにすることが、4K・8Kの普及・浸透へ向けた大きなメルクマールであることが強調された。 続いて登壇したNHK副技師長の春口技術局長は「8Kスーパーハイビジョン試験放送と東京五輪に向けての展望」として、具体的なタイムテーブルと施策が紹介された。スカパーJSATの小牧取締役は「当社の4K放送への取り組み」について講演し、スポーツ競技や音楽ライブにおけるHDR放送が高い臨場感を提供できると自信を見せた。 当日実施したもう一つの基調講演は、今年開催されたリオオリンピックに関して、ブラジル最大の放送局”TV Globo”のスポーツテクノロジーディレクターのマヌエル・マリノ氏が「リオ五輪を振り返り、2020年を考える」と題した講演に登壇し、2020年におけるSHV放送実現に期待を寄せた。NHKの報道技術センター中継部の東副部長による「リオオリンピック SHVコンテンツ制作を振り返る」と題した講演では今回のリオ オリンピックでの実施内容が具体的に紹介された。世界が注目する4K・8K技術06総務省 大臣官房審議官吉田 眞人 氏日本放送協会 技術局長・副技師長春口 篤 氏スカパーJSAT株式会社 取締役 執行役員専務有料多チャンネル事業部門長 兼 放送事業本部長小牧 次郎 氏

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