InterBEE REVIEW2011 (JP)
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18海外を市場として、仕事のパートナーとして捉えるしなやかさ 日本のテレビ番組において、かつてないほど壮大なスケールで制作されたNHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』。この『坂の上の雲』の制作に携わった3人のクリエイターが登壇した「Asia Contents Forum 特別セッション」では、これからのコンテンツ制作に対するさまざまな提言が行われた。登壇した加藤、菱川、結城の3氏は、それぞれが異なる経験・実績を経てこのドラマに参加している。ともに溢れんばかりの個性と、仕事に対する確固たる信念を持つ3人の言葉は、プロならではの現実的な重みを感じさせるものがあった。と同時に、3人の間には、まるで命がけで戦ってきた「戦友」のような信頼関係が、「坂の上の雲」というドラマづくりを経て築かれていることを感じさせた。個性や考えのぶつかり合いと、互いを信頼しながら同じゴールを目指すチームワーク。一見して異なるベクトルのように思える力があってこそ、新しい世界が切り開かれるということを、3人の姿が体現しているかのように見えた。 経済的に困難な時期にある日本において、今後コンテンツ制作はどうあるべきか。国際的なフィールドで映像制作に携わってきた経験を持つ3人から出た言葉には、海外を市場として、また仕事のパートナーとして捉えるしなやかさがあった。

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