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2009.8.19

映画『南極料理人』プロデューサー、監督インタビュー

プロデューサーの西ヶ谷寿一氏(右)と監督の沖田修一氏(左)
(C)2009『南極料理人』製作委員会

<<食卓を通して描き出す>>

 氷点下54℃、家族が待つ日本まで14,000キロメートル……。南極という過酷な環境の中、男性ばかりのチーム8人で過ごす様子を、食卓を通して描き出す映画『南極料理人』(8月22日より全国ロードショー)。西村淳氏の原作をもとに、2年以上かけたという、その製作についてプロデューサーの西ヶ谷寿一氏と監督の沖田修一氏に話を聞いた。


<<監督と作品がマッチしている>>

 『南極料理人』は、西ヶ谷氏にとって5本目のプロデュース作品だ。「今から3年ほど前に、当時沖田監督が在籍していた会社の代表から、“『面白南極料理人』という原作があり、沖田さんに監督をさせたい”という話をいただきました。最初に原作を読んだときの感想は、『南極料理人』の企画と沖田監督は非常によくマッチしている、というものでした。沖田監督が注目されるきっかけとなった、水戸短編映画祭受賞作の自主映画『鍋と友達』は、食卓をテーマにした作品で、きっと彼(沖田監督)は、“みんなでテーブルを囲む”というシチュエーションが好きなのだろうと思っていたのです。原作ものでありながら、監督と作品が非常にマッチしている。これは良いと思いました」(西ヶ谷プロデューサー)。


<<沖田監督「食べている人を撮るのが好き」>>

 「食卓」をいきいきと描きだす沖田監督。彼が、「食卓」に対して持つイメージとはどんなものか。「私はもともと、家族ものや家の中での出来事を描いた作品が好きで、特に食べている人を撮るのが好きです。食卓での姿には、その人の“人となり”が反映されると思っていて、それを描きたいのです」(沖田監督)。


<<ロケ地の決定に苦心>>

 『南極料理人』の企画が立ち上がってから、実際に撮影を始めるまでは2年かかったという。
 「ロケ地をどこにするかなどの課題がありました。予算と相談しながら、情報を集めては何度もロケハンを繰り返しました。舞台となった南極のドームふじ基地の気候や地形の条件に合った場所が北海道にあると聞き、調査を重ねた結果、ロケ地を網走に決定しました」(西ヶ谷プロデューサー)。
 沖田監督も足かけ3年に及ぶロケハンに同行し、脚本の執筆&直しなどの準備を進める一方で、他の仕事をこなし、映画撮影のための経験を積んでいったという。


<<「南極より寒い」網走! 撮影期間は1カ月半>>

 製作部が発足したのは08年の夏。撮影前のプリプロは同年10月から始まり、11月にはスタッフルームが設けられた。撮影は09年1月24日から3月8日まで行い、6月3日に初号が完成した。それぞれの撮影期間は、南極シーンは8日間、室内は足掛け3週間、すべて合わせると1カ月半ほどだったという。「冬の網走の体感温度は南極より寒い」と言われるくらい、厳しい環境での撮影だった。
 企画段階では、制作コストの見込みは2億円。「結果的に2億を少し上回るくらいのコストがかかりました。」(西ヶ谷プロデューサー)。

<<みどころは17回の多彩な食事>>
 製作陣が語る、今作の見どころとは何だろうか。
 「まずは何といっても、テーブル回数で言うと17回分の多彩な食事です。フードコーディネーターは『かもめ食堂』などを手掛けられた飯島奈美さんと榑谷孝子さんに入ってもらって、メニューをどうするかというところから相談し、あれこれとアイデアを持ち寄って、日本の食材に様々なアレンジを加えました。そして、それらの料理をめぐるキャストが魅力的です。8人の掛け合いが自然で、面白く撮れたと思います」。

<<新しい時代の監督を輩出する>>
 今後の展望を二人に聞いた。
 「これから先に何をするか、詳細を決めてはいないのですが、面白いものを作っていきたいという思いがあります」(沖田監督)。
 「テアトルラインナップとしては、劇場も配給も含めて新しい時代の監督を輩出するという思いでやっていきたいと思います。『南極料理人』は、テアトル新宿で先行公開を行い、8月22日より全国ロードショー公開します。今秋には、冨永昌敬監督作品『パンドラの匣(パンドラのはこ)』も公開をします」(西ヶ谷プロデューサー)。


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